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(パニック編)次の目的地

『がんばりなさい……』


「えっ」


いきなり声をかけられたような気がしてぐるっと見回した。

けれど、声の主らしき人物はどこにもいなかった。

気のせいか? でも、どこかで聞いたことのある声だったような気がしたし……。どこで聞いたんだっけ……。


「お~い、セイヤく~ん。聞こえてますかぁー」

「あぁ……」

「……聞いてないな」


何か声をかけられたけど、セシルだし大したことじゃないだろう。

それよりもさっきの声が誰の声か気になる。

そう思って考えにふけろうとした瞬間、耳を引っ張られた。そして。


「セ・イ・ヤ・く・ん!」

「s#¥$!?」


大きくて恐ろしく高い、もう凶器だろうというほどの声が耳をつんざいた。

当然、激痛が走る耳を手で押さえながらのた打ち回る。

そんな、凶悪な事をした張本人はあきれた様子で言う。


「もう、訳の分からない言語を使って騒がないでよ。物凄く対応に困るし」


少しは落ち着いたがまだキンキンする耳を片手で押さえて、残りの片手でセシルの耳をつまみ反撃に出る。


「な・ん・で・す・か・セ・シ・ル・く・ん!」


セシルと違って高い声はでは無いがここまで大声で言うとダメージも半端無いだろう。

これで、セシルも大人しくすればいい……はずだったのだが。


「もう、僕は、そんなに耳悪くないから耳元で叫ばなくても大丈夫だよ?」


セシルはいたって普通だった。全く耳を痛そうにしていない。

余裕そうににこりと笑って、こちらを見る。言葉に出してはいないが顔にこれ程度? って大きく書いてある。

ギリギリと歯軋りをした。


「まぁまぁ、そんなに殺してやる、今すぐ殺してやる、って言うような不穏な表情せずにね」

「誰のせいだ!」

「僕のせい?」


なぜ疑問系なんだ、セシル……。

そこで、セシルが顔を顰めて言い返す。


「て言うか、元はと言えばセイヤくんのせいだよ? 僕が声をかけたのにまともに対応しないからだよ」

「だからって、あれは無いだろ。鼓膜破れたらどうするんだよ」

「そんなの放っておけばそのうち直るでしょ」

「おい!」


セシルの相変わらずの無責任さ突込みを入れる。

こいつ、うっかりで、あっごめん腕飛ばしちゃったとか言いそうだな。


「……妖精の箱庭(フェアリーガーデン)魔国ヘルメイアどちらだ」

「へ?」


また言い合いを始める俺達を遮るようにブラッドが一言そういった。

当然意味が分からなくて首をかしげる。


魔国ヘルメイアが良い!」

「だから、なんだそのフェアリーガーデンとかヘルメイアとか」

「国の名前だよ、勇者のセイヤくん」

「リオネル?」


セシルとブラッドの会話の意味が分からなくて首をかしげているとリオネルが俺の肩を叩いてそういった。

そしてしゃがんで木の棒を一本つかむと、スラスラと何かを描き始める。


「地図?」

「そう地図、この世界のことほとんど知らないようだから、説明してやる」


地面に描かれた地図の中央にある大きな大陸に線が引かれていく。


「まず、この大陸の真ん中に在るのがレメイルって山、これを囲うようにしていくつかの国があるわけ。で、いま俺達がいるのはここ」


木の棒が大陸の右下のほうをさす。


「リナリア聖王国だ。で、それに隣接しているのがリーンゼル帝国と魔国(ヘルメイア)。それとさっき話しに出たフェアリーガーデンについては、どこの国に居ようが妖精族の力があればいけるとの事だ。そもそも本当にあるかどうか謎のような国だけど……。まぁ、こんな所だ」

「ふ~ん、じゃあさ、何でブラッドの選択肢にリーンゼル帝国? が無かったんだ」


すると、リオネルは俺を見て妙な顔をした。

なんだ、俺なんか変ことでも言ったか?


「リーンゼルは俺にお前を捕まえろと命令した国だぞ? そのお前がノコノコとリーンゼルなんかに行ったらどうなるか、想像つかないか?」

「あっ、そういえばそんなこと言ってたな」

「聖将軍のことも言えないな……」

「どういう意味だよ!?」

「別に……」


リオネルの言葉に眉をひそめる。

俺は断じて、セシルみたいなとんでも人間ではない、聖将軍のことも言えないなんて心外だ。


「ふぎゃぁ!?」


妙な悲鳴が聞こえて振り返るとセシルが宙を舞っていた。

というよりなぜセシルが宙を舞うという奇妙な現象がおきているんだ?

今までのイライラも吹き飛ばして、何が起こっているか理解しようとする。

すると、急に前が暗くなった。


「っ! セイヤ逃げろ!!」


息を呑むような音が聞こえてリオネルの逃げろと言う声が聞こえた。

そう言われても何から逃げろって言ってるんだ?

ふと、甘い香りを感じた。この香りってブラッドの……。

肩を抱かれような感触を感じると首筋にツンと痛みを感じた。

じゃらじゃらと金属音が聞こえた。

あれ? なんだか、意識が……どう、なっているんだ?


「ぎゃぁぁぁぁ! エロイ!! じゃ無くてセイヤくん!?」

「お前、どこまでも不謹慎だな……。まず、心配するところだろう。もしくは引き剥がすか」


セシルエロイってなんだよ……、つかリオネル、引き剥がすって何を?

そう質問したいのにどんどん意識がかすんでいく。

意識が落ちる寸前、真っ赤に染まった瞳を見たような気がした。

あはは~、最後の方は自分の思いが爆発しちゃったかな?

なんで、こうなったかは次の話で分かります。

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