(観察者編)世界を見つめる観察者
「危険因子の一人新たに仲間を手に入れて、旅を再開。旅の仲間の内一人はトラウマが出る可能性アップといったところかしら?」
今日も、いつかのように江入星矢の旅の観察をしている。
フィーリアを出るその日に危険因子となっている、殺し屋二人と戦闘して勝利。
そして、新たな旅先を求めているらしい。
「はぁ、何で危険因子達は何かとトラウマやら殺しを生きがいにする人間やら、ちょっとしたきっかけで世界のバランスを崩すような何かを持った。奇抜な人間なのかしら……」
「だからこそ、危険因子と呼ばれているのだぞ?」
後ろから、足音と自分に呼びかける声が聞こえた。
ここに私の許可なしに来れるのは一人だけなので、振り向かずに返事をする。
「神様。どうかしましたか?」
「どうかしないと来てはいけないのか?」
神様は子供のようにそう返すと音も無く私の真後ろまでやってきた。
そこで、神様を振り返り、先ほどの言葉に返事をする。
「神域からは、基本的に出ないのがルールだったと思いますけど?」
「あぁ、そうだな。まぁ、気にするな」
いつもの事なので追求もせず、世界へと目を戻した
神様も私の隣に並んで同じように世界を覗く。
あの勇者たちはフィーリアをでてすぐに野営をして、今は、次の目的地を話し合っている。
危険因子達とこんな風にゆったり過ごしている、勇者は初めてだ。
それ以前の勇者は、飛ばされた瞬間、否応なしに危険因子に襲われていた。
勇者の存在は危険因子のとって麻薬のようなもの、強制的に危険因子の本能を引き出し、それによって生まれた破壊衝動を一心に受ける存在。
それによって、この世界のバランスは整っている。
でも、そんな手間が必要なのはこの世界だけ。
なんで、この世界だけにそんな危険な存在が生まれて、そして、それを排除するために勇者が送られるのかはよく知らない。
この世界以外にも壊れそうな世界はある、実際に壊れてしまった世界もある。
でも、それらの世界には神様は手を出さなかった、手を出したのはこの世界だけ。
理由は分からない……けれど、私はこの儀式のような殺しが嫌い。
死んでいく存在なんて無限にあるし、理不尽に死んでいる存在も数え切れないほどある。
その事については別にどうも思わない、と言うより一々気にしていたら気が狂う。
けれど、これだけは気になってしまう。
この、儀式のような殺しには何か他の意味を感じる、とてもとても、嫌な感じ。
きっと、それは危険因子が世界を破壊せずに生き残る事で分かる理由。
証拠は無いけど、確信めいたものがある。
だから、新しい勇者、江入星矢……私に真実を教えて。
この、世界だけに起こるこの現象の真実を。
瞳に映る勇者の輪郭をすっと撫ぜた。
「中々、充実した日々を過ごしているようだな。今回の勇者は」
「そうですね、凄く楽しそうに過ごしている」
笑いながら、仲間と語り合っている勇者から目を離し、隣で同じように眺めていた神様の横顔を眺める。
この、神様は一体何を思ってあの、勇者を見ているのだろう。
神様は微笑を浮べると世界を覗くのを止め背を向けた。
「まぁ、世界のバランスを崩してくれないように願うかな……」
笑いながら、そういう神様の背を訝しげに見た。
「急に自信がなくなったんですか?」
「さぁな……」
質問には答えずに神様の背が去っていく。
そして、いつものように立ち止まる。
「あぁ、そうだシャーロットよ。勇者にこれを渡しておいてくれ」
「はい?」
神様がそう言った瞬間、目の前に剣が突き立った。
これを勇者に渡せという事だろうか?
白と銀色でそまっている、美しい剣だ。
剣からは強大な力を感じる。
「あの、これは?」
「聖剣だ。名前はまだ無いから適当につけろと勇者に言っておけ」
そう言って、神様は世界の狭間から消えた。
目の前に突き立てられた剣を見つめる。
恐る恐る近づいて引き抜く。
「って、なによこれ、馬鹿みたいに重いじゃない……」
こんな重いものをあいつの所まで運ばないくちゃいけないなんて……。
その前に腕がちぎれるわ……。
いっそ、これ落としてやりましょうか、あの神様が持ち出した剣なんだし。
あぁ、だめね。この前あの勇者が落ちたときも結構なクレータが出来たのだもの。
この剣はあの勇者よりも重そうだし……世界の為にもやめておきましょう。
剣を一度置いて。
もう一度世界を覗いて勇者をみつめる。
「がんばりなさい……」
再び、シャーロット視点です。
この後の展開が全然思い浮かばないんだけど大丈夫ですよね……
たぶん……。
因みにこの物語、最後まで話に関わる予定の人物が
合計13程出る予定です。
……無駄に多いですね何でこんなことになってしまったのだろう。
次の話は、多分次の旅先についてダラダラと話す事になります。
さてさて、セシル、トラウマフラグ立てたけど
どこで消化しようかな?