(フィーリア編)決勝戦
これから決勝戦が始まろうとしている……
おれの試合はどうなったかって?
休めなかったイライラをぶつけたら一瞬で終わってしまったよ……
おかげで、セシルが余計に妙なやる気を立ててしまったし。
ブラッドも雰囲気変わってるし。
はぁ、完全にやってしまった……
自らフラグを立てるとは無念……
「試合開始!!」
観客から激しい歓声で埋め尽くされた。
俺は、とり合えず大怪我しないようにいつでもシールドが張れるよう準備をする。
「じゃあ、まず僕からね~」
セシルがそう言って高く跳躍した。
ブラッドが構える。ついでに名前の知らないこれから餌食になるであろう選手も構えた。
セシルを中心にいくつかの魔法陣らしきものが展開された。
「さぁ、みんな出ておいで~~」
セシルが呼びかけた瞬間、魔法陣から大量の獣や人間が現われる。
て言うか人間なんか召喚できるのだろうか? それともあれが精霊って奴?
それが、一気に俺たちに襲い掛かってきた。
即座に膜をイメージしてそれを防ぐ。
ブラッドに襲い掛かっていったもの達は弾き飛ばされる。
ちなみに名も無き選手はすでにリングアウトした。
ご愁傷様で……
「つか、これ結構重いかも……」
虫もどきの攻撃の何倍も重く防ぐのが結構辛い。
どうしたものだろうか。
下手に突っ込むと瞬殺されそうだし、いや殺されはしないかな?
半殺しにはなるだろうけど。
ブラッドはどうしているのかと見ると。
「あれ? 居ない?」
まさかのブラッドリングアウト!? とか思っていると上空から派手な爆発音が聞こえた。
火柱やら、雷撃やらブラッドが連続して撃っている、何かが襲い掛かってきたらそれを足場にしてさらに飛び上がってまた撃っている。
器用な奴だ。
一方セシルの方は相変わらず魔法陣を出したまま空中浮遊している。
「良し、準備完了~、いっけ~、聖竜不死鳥」
巨大で光に包まれた竜に炎を纏っている同じく巨大で美しい鳥が会場をうめた。
「はい!? それは反則でしょ!!(面積的に)て言うかそれ絶対この世界ではあなたしか召喚できない最強召喚だったりするでしょう!!(名前の雰囲気的に)」
「うん、そだよ~、詠唱長いから出番少ない子達なんだけどね~。ホントはまだまだ居るんだよ? 竜は全色そろえてるし~、あと四方位の守護者とか。時間無いから出せなかったけど」
うぅ、これはやばいぞ~、試合会場壊す気満々だろセシル、うわ愉快そうに笑ってやがる。
あんな、デカブツ流石のブラッドでもどうにもならないでしょう……って突っ込んでるし!?
「破滅」
ブラッドの言葉に共鳴するかの様に地が震えたかと思うと召喚された二匹が球体のようなものに飲まれた。
そして、球体が輝いたかと思うと二匹の召喚獣が吹き飛ばされた。
ブラッドえげつないな……
そのまま、セシルに突っ込む一気にかたをつけるつもりだろうか。
「フェニクス!!!」
吹き飛ばされたはずの不死鳥がセシルの前に現われ、ブラッドに攻撃を仕掛けるが構わずブラッドは突っ込んでいく。
「それじゃ、僕の第二の取り得、我に忠実な従者よその身に我の加護を刻み守護せよ」
ぐったりしていた聖竜が起き上がる。不死鳥も一声あげるとブラッドへの攻撃のて強めた。
ブラッドの動きが止まったセシルも眺めているだけであまり警戒心を感じられない。
……あれ? これってチャンスじゃないですか?
イメージする。二人をリングアウトするほど弾き飛ばす程の爆風もしくは衝撃を。
「とり合えず、イッケェェェ!!!」
セシルが急にバランスを崩す、ブラッドの構えが微妙に崩れた。
「えっ……!?」
「くっ……」
二人の体が試合会場から吹き飛んだ……見えなくなるほど飛んでいったんだが大丈夫か?
「試合終了!!!」
鐘の音が響く。
相変わらず、戦闘シーンが下手な自分です……
そういえば、近々新連載を始める予定なので
そちらも見ていただけると嬉しいです。