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(フィーリア編)水路での出来事

水面が今までになく大きく一度揺れた。

水飛沫で視界が埋め尽くされ服が水に濡れる。


「うそぉ……」


顔についた雫を拭うと周りの通路がさっきの化け物に塞がれていた。

腕の中の猫は濡れた体が気持ち悪いようで腕の中でもぞもぞ動いている。

頭を撫でて大人しくさせると辺りをもう一度見渡してみる。

何回見てもやはり360度しっかりきっちり囲まれている。


「どうするんだよ、これ」


肩をガクンと落としてうなだれる。

どこに行ってしまったんだよ俺の運……

そんな事を心の中で絶叫しても誰も答えてくれるわけでもなく。

代わりに無数の触手が襲い掛かってきた。

即座に自分を包み込む透明な膜をイメージして、攻撃を防ぐ。


「うわ、これじゃ、守り外せないな」


触手は弾かれても弾かれても、攻撃を緩めずひたすら突っ込んできている。

どうやって倒すべきか……、触手が弾かれる音をBGMに考える。

…………膜の質を変えてみるか?

触れたら即、灰になるとか、感電するとか、……うん、それが良いだろう。

早速ためしてみようとすると。


「グィャァァァァァ」

「えっ????」


なぜか、まとめてキモイ虫もどきが全滅した。

速くて良く分からなかったけど、水路の水が急に浮き上がってそこから高速で水が発射されたような……

助けられた? でも誰に?

……シャーロットとか? 

でも、さっき帰ったはずだよな。

頭を悩ませながらうずくまって、考える。


「あの……」


トントンと肩を叩かれた。


「ごめん、今考え中なの……って、え?」


ストップのサインを出して再び考え込もうとして気付いた。

これって話しかけられているよな、つか誰に?

ぱっと振り返る。


「あれ? その服……きゃっ」


俺の腕の中にいた猫が目の前の女の子に突っ込んだ。

猫に突撃されてバランスを崩しながら抱きとめる姿はいかにも女の子って感じがする。

薄茶色の髪の毛に髪と同じ色のパッチリとした目が可愛らしい。

……じゃなくて、この子誰?


「あっ、なんだ猫か。可愛いな」

「えっと、質問があるんですけど~」


猫と仲良く戯れている中、悪いと思いつつも声をかけた。


「あっ、ごめんなさい。ここに迷いこんだひとが居るって、風が教えてくれたから迎えに来ました」

「は、はぁ」


まだ、質問をしていないのに答えられてしまった。

弱冠、不思議ワードが混ざっていた気もするがあえてそこはスルーしよう。

とりえず、最大の質問をぶつけてみよう。


「えっと、これってもしかして君?」


まだ弱冠、残骸が残っている虫もどきを指差しながら聞いてみる。

まぁ、絶対に違うだろうがな、さすがにこの子がこんな事出来るはずが無い。


「あっ、はい。なんだかものすごく襲われていたので」

「いや別に君が恐ろしい武人に見えるわけではなk……え? 君がやったの!?」

「はい」


微笑みながら頷かれてしまった。

けっこう可愛いじゃなくて!!

これをこの子がやった!?

いたよ……本当に居たよ。最強属性の可愛い子……

いや、可愛いで言えばセシルもそうなんだけどあれは男だし、ちょっと可愛いの方向違うし。


「あはは……アハハハハハハハ。この世界の人ってパワフルすぎだろ……」

「ちょっと怖い気もしますが、勇気を出して聞いてみます。とり合えず外に出ませんか?」


女の子の声で我に返る。


「悪い、確かにそうだな。案内してくれるか?」

「もちろんです、そのために来たんですから」


くすりと笑うと早速、案内を始めてくれた。

そして、思い出したように付け加えられた。


「そういえば、私がこんな事をしたって事は内緒でお願いします。ばれると軍とかそういうの無理やり入れられそうですから」


だからと唇に指を当てて秘密とジェスチャーをされた。

それに無言で頷くと女の子は満足したように再び案内を再開した。

間もなくすると梯子が立てかけられているところまで出た。


「ここが出口です」

「うん?」


見上げてみると、確かに梯子の上からは太陽の光が差し込んでいる。


「えっと、じゃあ、その……」


こちらを見ながら困った様子でいるので名前が分からなくって困っているのだろうか?


「セイヤだよ」

「えっ?……あ、えっと私は、ソフィーです。それで……そのセイヤさんお先にどうぞ」


なるほど、ソフィーって言うのか。

可憐な見た目にあってる名前だな。

でも、あれを一瞬でたおs……いや忘れよう。

ぶるっと頭を振って答える。


「いや、別にソフィーが先で良いと思うけど?」

「あっ、それは……」


ソフィーが今度は、丈の長いすかカートを抑えながらモジモジしだ……スカート?

ソフィーの言わんとしていることに気がついて顔が熱くなる。

おそらく顔が真っ赤になっているだろう。


「ごっ、ごめんすぐ上るから」


ソフィーが何かを言おうとしたがそれを聞くと立ち直れないような気がして、全力で梯子を上った。

今回出てきた、ソフィーさん実は前に一度出ています。

気付いた人いるかな?

ヒントが一言しかないから気付くの難しいかも……

でも、次でどこで出たか分かるはず……だと思う。

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