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(フィーリア編)聖将軍と幻想の狩人

「聖将軍様は本当に可愛らしい姿をしているのねぇ、悲鳴も甘くて良い声だと良いんだけど」

「なんですか? その発言は、新手の女王様プレイ?」


軽口を叩いたけれど、手や背中に油汗が流れる。

なんだか良く分からないけど、この女嫌な感じがする。本能的に拒絶したい。

こんなのと2人きりになるぐらいだったら国一つ相手にたった一人で戦争をふっかけるほうが何倍もましだと思うぐらいだ。

じりじりと距離を詰められる、相手は最初に殺しのフィールドと言った。

いつまでも応戦できるように自らの魔力に意識を傾ける。

お互いの動きが止まる、先に動いたのは相手のほうだった。

金属独特の光沢が見えたかと思うと何本かのナイフが飛んでくる。

それと同時に女の姿も消える。

素早く身をかわすと次は背後から切りかかられる、それは結界で防いだ。

結界越しに女がくすくす笑っているのが見える。


「やっぱり、聖将軍様ってそれなりに強いのねぇ」

「弱かったら将軍様なんてやってるわけ無いじゃないですか」


この女は綺麗だけど不気味だ、けれど今はそれに構ってるわけにはいかない。

これは命を懸けたゲーム、油断したらそこでゲームオーバー。

自分の仮面を取り外して付け替えるかのように自分は冷たく微笑む、冷たく冷酷に自らを律するため。

そして、命じた。自らの友に、目の前の敵を切り裂けと。

女の背後から強き獣が牙を剥き襲い掛かる。獣の攻撃は空を切った。

女は高く跳躍して、後方へと下がる。

続けて、また獣が咆哮をあげて女をその鋭い爪で切り裂こうと襲い掛かる。

女は優美に避ける、けれど逃がさない、女の避けるのに合わせて数十個の銃器を召喚する。騒がしく銃声が響いた。

それでも女には、一撃も当たらない。華麗にステップを踏んで避け続けている。まるで舞いのようだ。

女が、何十回目のステップを踏んだとき、女の死角から獣が襲い掛かる。

すぐに気がついたようだが遅い。どんなに素早くともあの至近距離では逃れる事なんて出来ない。勝利を確信した。

女へと鋭い爪が襲い掛かる。


「えっ……?」


勝利を確信したのに、何、この状況は何がおっこっている?

自らの友は、銀狼は、女を切り裂かなかった。

女は凄く愉快そうにそして妖艶に笑っている。


「うふふふふ、良いわぁ。その驚いた顔ぞくぞくしちゃう」

「っ!?」


銀狼は静かに女にかけていた前足を降ろす。体の頭をこちらへと向ける。

牙を剥いて、重心を低くして飛びかかろうと構えている。


「ウル……?」


銀狼は答えない、次の瞬間自分へと襲い掛かってきた。

すぐさま、ウルの召喚を解く、切り裂かれる寸前でウルの姿が消えた。

ウルが消える直前にその瞳が一瞬見えた。


「精神系の能力……」

「もう気づいちゃったのね、やっぱり聖将軍様はすごいわぁ……」


女と目が合った瞬間に体全体を押しつぶすような感覚に襲われた。

恐らく、何らかの能力で精神に干渉しようとしているのだろう。常に精神に防壁を作っておいてよかったと安心する。

でも、この重圧感……かなり、魔力が奪われる。厄介な者を相手にしたものだ。

今の戦況では、こちらの方がかなり分が悪い。こちらは一瞬でも気を抜けば一気に精神を支配されて負ける。それに意思のあるものを召喚する事も出来ない、相手にコントロールを奪われ、余計に不利になる。この常態で攻撃を繰り出すのはかなりきつい、だからと言って仕掛けずにボーっとしていれば、確実に殺される。

それに、相手もじっとしてくれるつもりは無いようだ。

最初に投げられた数十倍もの数のナイフが飛んでくる。

錬金でもしたのだろうか? これだけの精神的圧力をかけながらこんな事をしてくるなんて並みの者じゃないだろう。

まぁ、最初見たときからそれには気づいていたけど。

自分の周囲に結界を張って相手の攻撃をやり過ごす。

その間に素早く魔法の詠唱を唱える。


「凍てつく波動よ、猛吹雪ブリザード


魔法陣が現われ、あたり一体が白に染まる。

魔法の効果が消えると視界が開ける。

先ほどの発動させた魔法の影響で辺りは季節外れな銀世界が広がっている。

気配を探ってみるが女の気配が無い、さっきまでの感じていた圧力も消えた。

倒したのだろうか?

ほっと息をつこうとした瞬間、女が現われ襲い掛かってくる。

距離が近いどんなに頑張っての避ける事は出来ないだろう。

身を切らせて骨を絶つの覚悟をするしかないらしい。

即座に覚悟を決め、袖の中に隠してあった、ナイフを取り出す。

女が目の前まで来てお互いに武器を構え触れ合う刹那、第三者の攻撃がそれを阻んだ。


「誰?」

「あらら、邪魔されちゃったわぁ」


降り積もった雪の上を音を立てながら近づいてくる。

黒い靴にチェーンとベルトでぐるぐる巻きにされた黒いズボンとシャツ、そして黒いロングコート。


「魔王さん!?」

「魔王さん? う~ん、楽しそうな響きだけど流石に二人相手は辛いわねぇ。残念だけど退くしかないようだわ。またね、聖将軍様」

「逃げるな!!」


手に持っていた、ナイフを投げたが女は消え壁に刺さっただけだ。

逃がしてしまった……深い溜息をつく。


「大丈夫か?」

「えっ? あ、うん大丈夫」


急に声をかけられて、何かと思ったが心配してくれたらしい。

僕の心配をしてくれるなんて意外だ。顔は良いけど性格は俺様最強鬼畜野郎かと思っていた、けれど愛ある鬼畜さまなのかもしれない。

僕の魔王さんへの好感度10up。


「そうか、ならセイヤはどこへ行ったか知らないか?」

「魔王さんも探してるんだ?」

「まぁな、……そういう返事が返ってくるという事はお前も居場所をしらないんだな?」

「うん、そうだよ」


セイヤくんはどうやら行方不明らしい、知らない中年男性もしくは危険な香りのする女王様に拉致&監禁でもされたのかな?

中々に嗜虐心をそそる見た目だし。可愛い系ではないけどあの青年らしい純粋さはマニアにはかなり魅力的だろう。

セイヤくんに直接言ったら、頭陥没させられそうだけど。


「とりあえず、探すか」

「そうしよっか」


まぁ、大丈夫だろうセイヤくんだし。

辺りが銀世界のままだったので元に戻すと魔王さんと一緒にセイヤくん探しに向かった。

う~ん、魔術と魔法の違いが良く分からないです。

まぁ、そんなことより、セシル君は無事この戦いを乗り切ってくれました。

まぁ、世界最強に数えられてる一人って設定だし。

ちなみに、魔王さんも世界最強に数えられてる設定です。

そんな、世界最強さんと互角に戦うなぞの女性、一体何者なんでしょうか? 出してはみたものの特に設定を考えていない(汗)

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