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無能力者がループで全てを救うまで  作者: /
序章 まだ名も知らぬ能力を理解するまで
1/1

1.読み返せば長い旅路の始まり

⦅注意!⦆更新遅いです!いや、書きます!書いてますけど他のも書いてますし私生活忙しいしこの小説重すぎるんです!


なので、面白いと思っていただけたらブックマークをしていただいてそのまま漬け込んでいただければ幸いです!多分死ぬまでには完結させます!


"

 この本を手に取ると、今でもすぐ思い起こされるようで、一生過ごし切った後から物心ついた頃を思い返すような、そんな近いような遠いような感覚を覚える。


 ただ、一つ言えることは、これは読み返せばきっと、長い…永い旅路の始まりに過ぎず、どれもそれもその旅路の上にしか存在しないのだろう。


 っていうふうに読み返しながら僕は最後まで思うんだろうなと思う。


 ………最期までとは…僕にはとても言えないけど。

"


 [045470707]

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 ジング王国の外れ、リレ村の少し裕福な家庭を築く夫婦に1人の息子が産まれた。


 その子供は親から愛情を受け取り、どの道に進むにしても得になるからと文字の読み書きをとても小さい頃から学ぶような、王国外れの村にしては英才教育と言える教育を受けていた…。





「せんせー!出来た!」

「うん!お疲れ様〜採点するね〜って、アキラくん普通に読み書き出来てるよね?冒険者にはこんなの全く出来ないなんて奴もいるんだけど…」


 その子供の名前はアキラ。

 彼は教育の賜物か、適性があるのか。物心ついた6歳の時点で平易な言葉なら自由に読み書きできるようになっていた。

 この世界では読み書きができる人間はこの世界で一人前とされる、20歳以上の人口の7割しかいないことを考えると、6歳でそれが出来るアキラは明確にこの世界における外れ値である。


「先生の字のきれいさにはおよばないけど…」

「うん、僕別にボールペン講座の先生じゃなくて読み書きの先生だからね?尊敬する点を間違えてない?」


 彼の読み書きの講師を勤めているのは本職の商人であるヒノ。


 彼は昔にアキラの母親関連の商家に借りがあり、給料は出るものの子供のお守りをさせられることになってしまった……が、

 最近ではアキラが良い子である上に物覚えもいいのでお守りというより普通にただ読み書きの先生を務めることになっている。


 なんなら、アキラの物覚えの良さを見込んで、アキラの【天賦】がどのような物であってもアキラに今理解している商人のノウハウを教えたいとさえ考えている。


 まだ35歳と若い商人(ヒノ)に後進の育成をさせたいと思わせる程だと言えば伝わるだろう。


「よし、じゃあこの辺も終わり!もう普通の人が使うような言葉遣いの文章はほぼほぼ読めるし、書きもある程度出来るでしょアキラくんは」

「書き…難しいよ〜」

「だから6歳児からレベルがかけ離れてるんだって」

「書きはうで動かすのめんどくさいしやだ〜」

「逆に外見と雰囲気くらいしか子供らしい点があんまり存在ないのどうかしてるでしょうに…」


「えー?子供だからわかんなーい」

「それは子供ぶってる大人が言う奴だし…もうアキラくんを子供として扱っていいのか分かんないよ…」


 おおよそ、授業はヒノがアキラに一個ずつちゃんと読み書きについて教えていき、教える予定だったものがなくなると雑談がてらヒノが無限にツッコミをさせられる…という状態になっていた。



「まぁいいや!どっちにしろ今日の勉強は終わり!」

「はーい!」

「お疲れ様〜」

「さよなら〜じゃまた〜」


 そうやってアキラはヒノの在籍する商会を後にした。


―――――――――――――――――――――――


「お父さん!きょうのべんきょーもおわったよ!」

「お疲れ様、アキラ。どうだった。」

「書きがいつもど〜りめんどくさ〜い…」

「はっはっは。こいつめ〜」


 アキラとその父親のケイは、ケイの仕事である冒険者としてのクエストが厄介なものでない限り、昼前に家に帰る道で合流するのがいつもの流れになっていた。



「お父さーん。べんきょうもいいけどそろそろかっこいーのやりたいよー」

「それは自分が得意なことが分かってからでも遅くないんだぞ?アキラ」

「えー?とくいなことはまだわかんないじゃーん」

「アキラ、この世界には【天賦】というものがあるんだよ」

「てんぶ?」

「そう。1人一つ持ってる特別なチカラなんだよ。それでそれぞれに得意なことが分かるのさ」

「すごい!いつ!いつわかるの?」

「子供はみんな10歳になったら分かるようになるんだ」

「へー!!そうなんだ!!楽しみ!!」


 この世界には【天賦】というものが存在する。

 【天賦】によってそれぞれに定められた得意分野においてはスキルの修練速度が段違いになる、難しい概念さえ聞くだけで理解出来るようになるなどの恩恵があるのだ。

 

 そしてアキラの父、ケイは既にアキラの【天賦】は完全に事務系の物だと理解していた。

 "どの職に就くにしても食い扶持に困らないように文字の読み書きは出来た方がいい"というケイ自身の持論でアキラに勉強をさせてはいたものの、

 明らかにその修練速度がおかしいからである。


「お父さんのてんぶ?はどんなのなの?」

「お父さんのはな〜剣で戦うのが強くなる奴だ!」

「かっこい〜!!…ぼくもそういうのがいいな〜」


 天賦を察している側からすると何とも気まずい話である。ちょうどよく家に着いたので助かったが。

 

「お母さんただいま〜 おひるごはんなに〜?」

「今日はパンとポトフよ〜」

「え〜? それ多くない?」

「経済的だし作りやすいんだからいーでしょ」


 と言うのはアキラの母、ヒメリ。彼女の天賦は商業方面に適したものであり、この家の家計も料理もその他のやりくりも握っている上に、個人で働いて稼ぎを持ってくる…

 まぁこの家が裕福である原因の9割を単体で作り上げている化け物である。


 アキラの先生であるヒノとこの家の繋がりも彼女の両親の商会関係のものである。



「とにかく!昼ご飯はこれ!嫌なら飯抜きでいいんだよ!!」

「そんなご無体な…朝からクエスト受けてきたんだぞ俺…」

「ん?なんか言った?」

「いえ、滅相もございません…」


 なんとも夫婦のパワーバランスが透けて見える会話内容である。


「「「いただきまーす」」……。」


 1人を除いて軽快に昼ごはんの開始を告げる合図をして昼ごはんを食べ始めた。


 これがこの家のいつもの一家団欒である。


 因みにヒメリはケイに甘い為、間食として肉料理を作っていることが多い。

 ――今日はなんとなく作ってもらえなかったが。


 アキラは今日も明日もそんなふうに時折目に見えて尻に敷かれる父親を見ながら、不平不満を言いつつも勉強する。

 しかし、剣や魔法が存在するこの世界においては子供はかっこいい物に惹かれるもので。


 アキラも今日【天賦】の話を聞いてから自分にはどんな適性があるのかワクワクしていた。


 そんなアキラももうすぐ7歳。天賦を確認出来るようになる「成人の儀」まであと丸3年と少しとなる。


 大体の子供は10歳になると予め察しがついていた【天賦】を確認して、冒険者見習いとして活動し始めたり、見習いとして商人の家に入ったり…

 と、一端の大人までとは言わないが、経済における役割を果たせるようになる。


 また、この世界にも国にとっての悪性組織は存在し、そんな悪党が剣だけでなく魔法をも使ってくるのである。


 要するに、いくら事務や商業に強いからと言って10歳になるまでにある程度は自衛力を持っていないと狩られる対象になる可能性が高い。


 それが理由でこの家では、6歳まで勉強させた分、剣や魔法など、子供が望む物を7歳になったその時から学ばせるという方針を元から決めていた。


 まぁこの方針を決めるまでにケイはヒメリにボコボコにされてたり昼飯の後の間食が1ヶ月抜きになったりしているのだが、それは置いておいて。


 つまり、この物語はアキラが7歳になり、新しい物を自由に学べるようになる、王国暦341年の2月。その時から動き始めることになる――。

この世界に関してまでメタビジョンで語るつもりはないのでアキラ君よろしく!

よって序章はまだまだ続くんじゃ_(:3 」∠)_

それでは!



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