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諸田と霜多2

作者: 301号室



諸田「――ッ、何で、お前が」


確かに霜多(アイツ)の心臓を切り裂いたはずだ。



霜多「今、お前が切り裂こうとしたのは工藤の心臓だ。しかし、今一つ届かなかったらしい」


どういう事だ。工藤は先に始末したはず。まさか――



霜多「そうだ。俺には心臓が二つあった。俺生来のものと、『工藤』に託されたものが」



融合体(キメラ)、いや違う。)


霜多の左腕が奴の胸を突き破る。取り出した『心臓』の奥には真新しい心臓が脈打っていた。

取り出された臓物が枯れかけた刃をつたい、赤黒く染め上げる。


(――『黒刃』か)





黒い破片が月光を照り返しながら宙を舞う。

鋭い眼差しと切先がにこちらに迫る。

重い一太刀が全身に響き渡る。


(――クソッ、が)



一瞬の猛攻が止む。

月に照らされ、その表情ははっきりと見えた。



霜多「気づいているんだろ。お前の『黒刃』に限界が迫っていることを」



再び『黒刃』と『黒刃』が衝突する(ぶつかる)

閃光が空を穿つ。



霜多「工藤が仕掛けたトリックは二つあった。一つは『心臓』。もう一つは――」



  「心臓の代わりに工藤を動かしていた『機械仕掛け(オプスフォリア)』だ」



黒刃は「使い込まれた」ものの方が、脆い。

機会仕掛け(オプスフォリア)は、その耐久限界を加速させる。


霜多は、幾度となく大切な人間を切り裂いてきた、その禍々しい『黒刃』を見据える。。

芯を捉えた。


夜空に溶け込むほどに純黒であった刃に赤い亀裂が入る。




霜多「工藤の作戦勝ちだ。ざあまみな」




硝子細工の様な破片と「諸田だったもの」が、闇に弾け飛んだ。









なんやて工藤

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