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最上空サイド2

 私達は気絶している碧お兄ちゃんを部屋に運び、その間に改めて自己紹介していた。


「ではお姉さま方、改めて最上空です。よろしくお願いします」


「よろしくね。うちは雛って呼んで」


「よろしくッス。空っち。勿論自分も千香でいいッスよ」


「よろしくね~。わたしも凛でいいから~」


「お姉ちゃんよろしくお願いします。翼って言います」


「おねえちゃんよろちくおねがいしましゅ、おかあちゃんのむすめのるとでしゅ」


 私はそれぞれに握手を交わしていき、屈んでルトちゃんに目線を合わせながら話しかける。


「君がルトちゃんか、本当にゴブリンなの?ダンジョンのゴブリンと随分違うね、だけど、お兄ちゃんが親バカになるのもわかるよ」


 私はルトちゃんを優しく抱きして頭を撫でる。


「こんなに可愛いんだもん。そりゃ親バカにもなるよ」


(碧お兄ちゃんのスキルで誕生したとはいえ、ここまで見た目が近くなるのか)


 碧お兄ちゃんにそっくりなルトちゃんに、私の頭にとあるインスピレーションが脳裏によぎる。


(ここまでそっくりな容姿で生まれてくるなら、これから誕生する魔物も当然、碧お兄ちゃんに近い見た目になるはず。いろんな姿の碧お兄ちゃんにそっくりな魔物っ娘パラダイスになるのでは……夢が広がる)


 妄想で突然にやけ顔の私にルトちゃんは危険を察知したのか、私の抱擁から逃げ出し雛お姉さまの後ろに隠れる。


 呆れた顔をした雛お姉さまが私の頭に軽くチョップをする。


「さっき灰城君を気絶まで追い込んで、今度はルトちゃんって、見境ないわね」


「今まで我慢してきた衝動がまだ残ってるんじゃないッスか」


「それなら~、わたしにいい考えがあるの~」


 凛お姉さまが私を雛お姉さまの正面に立たせると背中を押され、雛お姉さまに抱き着いた状態になる。


「ちょっと凛、何するの」


 私は雛お姉さまに抱きしめられる。


(……あれ、ちょっといいかも)


 雛お姉さまにの抱き着き具合と、フローラルな石鹸の匂いが心地いい。


「雛の胸にそびえる山脈で衝動を鎮めるの~。母性で浄化~」


「お~、その発想は盲点だったッス。翼ちゃん、ルトちゃん見てみるッス。この、空お姉ちゃんの顔を」


「嬉しそうな顔してる。翼も怖い夢を見て眠れない時に、お姉ちゃんに抱きしめてもらったら、すぐに眠むれるの」


「るともおかあちゃんにあとでだきちめてもらう」


「まったく、困った大きな妹が出来たわね、ほら」


 そう言って、私を抱きしめてくれる力が少しだけ強くなり、しばらくの間私は、雛お姉さまに抱きしめてもらうのだった。


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