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表情のあるゴーレムたち

「ふむふむ……なるほど実に興味深い。まず、おっぱいは……(ポンッポンッ)……うん、やわらかい。匂いは……(クンクン)すごい、匂いまで再現されてる。他には……」


 空ちゃんは目をキラキラさせながら、ゴーレムたちを一体ずつぺたぺたと触っては、胸のやわらかさを確認したり、スージーさんとゴーレムの匂いを交互に嗅ぎ比べたり、ほっぺたをつついたりと、興味津々で触り続けていた。


 スージーさんが作った三体のゴーレムは、見た目こそ彼女そっくりだったけど、胸以外にも意外と違うところがあった。それは、普段から無表情で表情を変わらない彼女と違い、ゴーレムたちはさまざまな表情を見せていたことだ。


 左から順に見ていくと――まず一体目は、胸が完全に平らで、目尻がつり上がり、怒っているような表情のゴーレム。次に中央に立っているゴーレムは、胸がお茶碗ほどの平均的な大きさで、顔はにっこりと笑っている。そして最後のゴーレムは、目尻が下がり、お腹が空いたような顔をしながら両手で自分の腹を押さえていた。彼女の胸は、この場にいる誰の目にも明らかなほど、雛よりひと回り大きいサイズだった。


 小・中・大と胸の大きさ順に並んで立ち、今もなお主人の命令を待ち続けているゴーレムたち。


 その中でも、特に胸の大きな一体に顔をうずめ、だらしない顔でニヤついている空ちゃんを、僕は呆れながら引きはがした。


「……空ちゃん、いくらゴーレムだからって、そんなにおっぱいとかお尻ばっかり触っちゃダメだよ」


「ちぇー、もうちょっと堪能していたかったのに……」


 空ちゃんが名残惜しそうにゴーレムの胸を見つめているのを見て、


『そんなに触り心地がいいものなのかな?』


 と心の中で思いながら、僕もついゴーレムの胸に視線が行きそうになる。


 だが、その途中で雛たちの——


『なんだかんだ言っても、碧君も男の子ねぇ』


 とでも言いたげな、からかうような微笑みとともに僕を見ている視線に気づき、僕は小さく咳払いをしてごまかした。


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