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みんなのステータスの確認-砂遊岩 スージー編-

「スーちゃんは『ゴーレム使い』なんだね……羨ましい」


「ゴーレムを使えるなんて、スーちゃん、頼もしすぎるの~」


 僕はスージーさんのステータスカードを見ながら、物欲しげに呟いた。


 一方、凛は目を輝かせながらスージーさんを見つめ、その頼もしさに感嘆していた。


「どやぁ」


 凛に見つめられたスージーさんは、無表情のまま親指を立ててグッドサインを向ける。


 いつも通りの無表情だったが、どこか嬉しそうに見えた。


 ゴーレム、それは体内に埋め込まれている魔石の魔力によって動く無機物の魔物である。


 一口にゴーレムと言っても砂で出来たサンドゴーレム、岩でできたロックゴーレム、鉄でできたアイアンゴーレムなどなど、様々なタイプのゴーレムが無数に存在する。


 そして何より厄介なのは、ゴブリンなどと違い、感情を持たず、胸の魔石が破壊されるまで恐れずに向かってくる点だ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


砂遊岩 スージー


レベル 18


職業  ゴーレム使い


スキル  ゴーレム・クリエイト 硬質強化 元素付与 ナイフ術 身体強化


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


スキル


ゴーレム・クリエイト――魔石と素材を消費してゴーレムを生成できる。


硬質強化――指定したゴーレムの防御力を一時的に大幅強化できる。


元素付与――ゴーレムに属性を付与することができる。


ナイフ術――ナイフの扱いが向上する。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 スージーさんのスキル構成を見る限り、職業名の通り、戦闘はゴーレムに任せ、彼女自身は後方で指示に徹するスタイルのようだ。


 ん? ナイフ術? ……これ、ゴーレム使いのスキルじゃないよね?


 スキル欄の後半にある『ナイフ術』が妙に気になる。そして、何より……。


「……すごくレベルが高いんだね?」


 冒険者学校の生徒の平均レベルはだいたい12~14なのに対し、彼女のレベルは18もある。明らかに高すぎる。


 スージーさんのレベルの高さに驚いていると、凛がその理由を教えてくれた。


「碧君。スーちゃんは友達と遊ばない時以外、ずっと1人でダンジョンに潜り続けてるんだよ~」


「ん。ゴーレムで軍隊ごっこするの、めっちゃ楽しい」


 ゴーレムの軍隊か……すごく見てみたい。


 ゴーレムの軍団が魔物と戦う場面を想像して、僕はわくわくしていた。


 僕だって、見た目は男っぽくないけど、心はロボットとか大好きな男の子だからね。同じ見た目のゴーレムがずらりと並ぶ軍隊なんて、いかにも量産型っぽくて良い。


 そんなことを考えていたら、どうやら顔に出ていたようだ。


 隣にいる雛が僕を見て、まるで「碧君もそういうの好きなのね」と言いたげに、にっこりと微笑んだ。


 そして、そのままスージーさんに話しかける。


「スージーさんのスキルに『ナイフ術』があるのが気になるわね。教えてくれないかしら?」


「ひなぽんもスーちゃんって呼んで。『ナイフ術』は、元レンジャーのパパンに教えてもらってたら、いつの間にか覚えてたぜぃ」


「元」という部分が気になったのか、空ちゃんが首を傾げながら尋ねる。


「元レンジャー? 今は何をしてるんですか?」


「パパンは子供の頃から自分のピザ屋をやるのが夢で、資金が貯まった今、除隊してママンと一緒にピザ屋をやってる。今度みんなで食べに来てちょ」


 そんな話から、合同ダンジョン探索の前の休日に、みんなでダンジョンへ行き、その帰りに彼女のご両親が営むピザ屋へ寄る計画を立てたりして、少し脱線した。


 スージーさんのステータスを確認した後は、僕の番だ。


 僕はステータスカードを取り出し、机に置く。


 ……空ちゃんにはまだ知られたくない部分を、そのままにして。


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