健康になれないよ!!
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
カオスなシュールコメディです。
狂人しかいません。
――今の状態は?
――うーん……胃の内壁をアルコールで拭き取りたいですねぇ。
――……じゃあお粥ね。明日安静にね。
――えぇ、またですか……。いい加減、もったりした明太クリームとか、こってりしたすき焼きが食べたいです。あとディアとの約束が……。
そんな会話をする夢を見た。いや、夢じゃない現実だ。結局夕飯は人様が食べてるカツを恨めしそうに見ながら、塩気も味気もない白粥を食べて寝た。こんなんじゃ健康になれないよ!!
そうして現在、私の体は容赦なくベッドのポールに繋がれている。夢であって欲しい。夢にならないけれど。
「やぁ、お目覚めかな? 気分は良くなった?」
そりゃもう穏やかな声だった。人を柱に縛り付けて、春の日差しの様な笑顔を浮かべる輩とは到底思えない。そんな彼をぶすくれた顔で睨み返すも、何処行く風と言った様に素知らぬ顔をされた。
「ご存知ですか? お粥って見方によってはジャンクフードなんですよ。だって炭水化物オンリーな食べ物なんで。それに定期的に日光浴しないと、精神的に病むですよ」
「そうやって我儘言って、カツサンド食べた挙句、お友達と遊んだ先でぶっ倒れて救急車呼んだのは何処の誰かな? 昔はそれで通用したけれど、君だって歳をとって免疫力だって低下してるんだ。いいから寝てなさい」
先程までの穏やかな顔は也を潜め、冷ややかな視線で見下ろす。そこに甘さなどあるはずもなく。
昔まではこってりしたもの食べて、友達とはしゃいでいたら自然と治った。けれども一年くらい前に同じ事をして治そうとしたら、友達と別れる寸前に気を失った。気が付いたら病室のベッドで点滴を打たれていた。それは確かに悪いと思っている。だからとりあえず一晩寝て、様子を見てからどうするか決めようと思ったのに。
「縛り付ける程信用ないですかね?」
「君、窓から飛び降りるだろう?」
まさかそこまで気性の激しい人間と思われていただなんて。まぁ、一階くらいなら、上手いこと鍵を外して逃げる事はするかも知れないが。
「……分かりました。でもお粥とか、おじやとか、雑炊はやめてください。百歩譲って固形の和食にしてください。あと私が行けなかったら、私の代わりに貴方がお友達と遊んで下さい。それで容認します」
そう譲歩した宣言をすると、漸く笑顔を浮かべてくれた。そうして颯爽と部屋を出る。鎖には繋がれたままだった。
オマケ
――親愛なるディアへ。聞こえてますか〜? 私の代わりに□□が行ってくれるそうなんですよぉ。お土産話、沢山聞かせてくださいねぇ。
「まさかお前、またカツとか食ってないだろうな。いい加減、医者と看護師に喧嘩売るような真似はよせ」
――食べてないですよ。筑前煮です。ベリー美味しいです。むぅ。そんな修羅場激戦区で戦ってる方々にそんな真似はしませんよ〜。それじゃあ、あとは□□に宜しくするです。
そろそろ脳外科に連れていった方がいいのではないか
と思われている、主人公ちゃんです。
胃の内壁をアルコールで拭き取りたい気分です。殺菌。
あとそろそろ固めの米が食べたいです。
作者の食欲があらぬ方向に行った結果、何故か狂気的なコメディになりました。
お腹空きました。明日こそはジャンキーな物を食べれるくらいになりたいです。