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二千円でおっぱい触らせてくれた女の子と僕の御話

第四話です。第二話と第三話の順番がわけわからなくなりました。済みません。

 その後、僕は五時限目のその日の最終の授業科目が終わるのを待ち切れない程、居ても立っても居られない気持ちになったんだ。  とにかく、他の男の子達に先を越されてはならない、という一心だけで。           ━━授業が終わったなら、息をつく暇さえもないままに、いの一番で、味醂ちゃんのもとに駆け寄って、彼女に声を掛けなければならない。             そんな使命感にも似た決意が僕の心の中に生まれてしまっていたのである。抜け駆けというのか、他の奴等やつらが我先にと他を出し抜く形で味醂ちゃんに迫ろうとする未来が手に取るようにみえてしまってならないのであった。     それは、子供とはいえ、男だからこそわかる動物的本能の証なのかもしれなかった。ともかくも気が気ではないのであった。    しかし、一刻も早く味醂ちゃんに話し掛けたくて仕方ないのと同時に、もし話し掛けてみたとして、それでも彼女から相手にしてもらえなかったような場合のことも考えてしまって、気後れしそうになるのも事実なのであったのだけれども。            考えてみれば、おっぱいを触らせてくれるという噂が本物なのかどうかさえ、はっきり言って、疑わしいものなのであった。    もしかしたら、何らかのゆかまんだひがみ根性とかねたみ根性とかに狂ってしまった男どによって撒き散られた味醂ちゃんに対する嫌がらせ目的のデマであるという可能性だってあるのだ。         それを真に受けて、味醂ちゃんに声を掛けてしまうというのもデリカシーに欠けた暴挙の一種に過ぎないのだろう。そのような恐れもないとは言えないのだから、僕を大いに思い悩ませる一因となっていたのである。        もしも、その噂がデマであり、味醂ちゃんにそのような行為に及ぶような意志などまったくないのだとしたら、それをひとり真に受けて本人に真偽を問うてみたりなどしようものなら、とんだ勇み足、赤っ恥ではないか。や、醂ちゃんまで傷つけることになることはけ合いだ。それに・・・。

 それに、だ。もうひとつ問題はあった。            何しろ、僕と味醂ちゃんはクラスが変わり、学期が始まってからこの方、未だ一度たりともしゃべったことなどないのだ。       普段から引っ込み思案じあんで、とてもではないけど異性に話し掛けるなんてもってのほか、みたいにしている僕が突然、今日に限って、今まで話した事もないような女の子に声を掛けるっていうのはどうだ。              それは周囲からはどのよつに受け取られる?          そうでなくたって、口数も少なく、友達も大して多くはいないような僕に突然話し掛けられた味醂ちゃんとしては、一体どのような接し方をしてあげようと思うものなのだろう?味醂ちゃんに限って、情け容赦ようしゃなく無下むげに切り捨てるよあな真似をするとも思えないけれど、何しろ女の子がそういう場合にどのような言動を取るかなんて、僕のとぼしい知識と経験では想像するのも難しいのであった。              それにもまして、かどうかは知らないけれど、僕のその様子に気付いた他の男子達がどのようなリアクションを示すか、だってわかったものじゃない。       だって、その時点で僕の頭の中には下心以外のなにものもないのはバレバレな訳じゃないか。   そうでしょ?そんなものなんでしょ?             どう考えたって。       僕はきっと、僕がそうさらのを待ち構えていたその様子を誰かから見咎みとがめられて、さらし首にされたかのように指を指されながら嘲笑われるのがオチなのに決まっているんだ。           ━━ああ、どうして気になっちゃうんだ。味醂ちゃんなんてさして好きでも何でもなかったはずの女の子のことがが。           僕は悩み苦しむしかなかったのだ。

御読み頂きまして、誠に有難う御座いました!

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