8.合流
「お、その見た目はミーアだな?」
「相変わらず小さめー!」
「レン、スイ。遅くなった」
こちらに駆け寄ってきたのはレンとスイ。私にこのゲームを勧めた張本人だ。
レンは短髪で赤髪赤目、長身の人間。
スイは長髪で青髪緑目、こちらもそこそこ長身なエルフだ。
「はい、フレンドコード」
「こっちもー」
「お、ども。承認したよ」
「あ、やっぱ名前同じか。つーか職業、って、は!?」
「羽……っ!?」
叫ぼうとしたスイの口をレンが塞ぐ。羽根人はレアなのだろうか。
と、思っていたらフレンドチャットが開始された。
レン:ちょ、おま!!
スイ:羽根人ってなに!?そんな種族なかったよ!?
ミーア:ルーレットで当たった。因みにちょっと飛べる
レン:レア種族かよっ!!またか!!
スイ:あ、でも羽ないね
ミーア:収納してる。飛べるときには出す
レン:あーもう話ずれるし!もう知らね!
普通に話している風に装いながらチャットを続けていると、背後から声がかかった。
「おや?君は……」
ウィーさんだ。広場にいた女性たちの一部が黄色い悲鳴を上げる。人気が高いらしい。
「彼等は君の友人かい?」
「はい。ここに来る前からの」
レン:おま、おまえ……っ!
スイ:え、ウィー様自ら話しかけられるとか何やったの?
ミーア:デュエットした
レン:はぁ!?
スイ:あー、あんただからねぇ……ついてけるか……
「そうそう、ここでは4日後辺りにまた歌おうと思っているんだ。ぜひ来てほしい」
「こちらこそ、是非とも」
「ではね」
ひらひら手を振って去っていくウィーさん。4日後か。時間開けておこう。
「……もう聞きたいこと多すぎてわけわかんねぇわ。取り敢えず俺たちが借りてる宿に行くぞ」
「そうだね。私も色々聞きたーい」
「了解」
「……ある意味わかってたが、ツッコミどころが多すぎる……」
「まぁ、ミーアを一人行動させたらそうなるよねー…」
「げせぬ」
「「げせ」」
むぅ。ただ小動物たちと戯れただけじゃないか。
「まず、このゲームで戦闘系技能を1つも取らなかったのが想定外」
「生産職でも『投擲』とかぐらいは取るからねー」
「んで、それで称号?聞いたことねーよ!」
「ルーレットでしか当たらない種族がいるのもねー…」
「生活系スキルなんて知らねぇし!!」
「ほんとそれー!」
「で、チュートリアル時点でレアと言われてるウィーを引き当てた挙げ句、デュエット!」
「羨ましいけどそれはミーアだから出来たんだろうねー」
「最後、モンスターと対話!?言語スキル!?そんなん試したやついるけど取得したやついねーぞ!!??」
「私は短縮されてるから。あとは関わり方の問題?」
あれは多分、ただ聞こうとしたりしても駄目なのだ。必要なのは対話の姿勢を見せること、だと思われる。
……つまり、対等だとして接しなければならないわけで。
「大兎にゾンビ猪……、それ多分序盤に倒す相手じゃねぇぞ?」
「ゾンビ猪は聞いたことないけど、大兎は夜のボスに似てるかなー。あと兎倒し過ぎたら来るやつー?」
「あれくっそ強いんだよ……」
「成る程。あと大兎は倒してない」
「はいはい」
私は兎を倒さなかったから見逃されたのか。称号もそれ関連かな?
「称号の多さも異常だし」
「祝福なんて、神官でももらった人いないよー」
「特に『守護』なんてぜってぇ上位スキルだろ……」
スイは苦笑し、レンは頭を掻きむしる。いつもの光景だ。
「そう、私から聴きたいこともあるんだけど」
「ん、なんだ?」
「街の雰囲気が暗いけど、プレイヤーは何やらかしたの?」
「俺たちがやらかしたこと前提かよ……」
「間違ってないのが辛いねー……」
なんでも、女性のNPCにしつこく言い寄ったり、店の中で暴れたり、ストーカーしたり、イチャモンつけたり、殴ったりetc。
「やめろっつっても寧ろ俺たちが絡まれるし」
「一回殺されかけたからねー。まあ子供逃がせたしぎり追い返せたからいいけどー」
「先行組は馬鹿ばかりなの?」
「言い返せない」
「私達はちょっと対応が甘いんだけど、それにもイチャモンつけてくるやつもいるからねー……」
「あー、それについては謝らなきゃだな。俺たちと一緒に行動したらお前もそういう目で見られる」
「別に。私はそういう奴ら嫌いだから」
「……まぁ、そうだな」
「てか、そういうのいたら寧ろ私が積極的に突っ込む」
「それもそっかー」
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