7.チュートリアル終了
目を覚ました場所は、高い木々に囲まれた森の中。不思議なのは、虫の声も、鳥の声も、木々が擦れる音すら聞こえない。
『あぁ、目覚めたか』
「……っ!」
背後から声がかかる。その瞬間、全身に鳥肌が立ち、冷水をいきなりかけられたように背筋が粟立つ。
『そう怯えないでくれ。少し話したいだけだ』
「緑神、ルラーグ様、でしょうか」
『そうだ。勘が良いと助かるよ』
深緑色の髪に、淡い青色のメッシュ。見た目は完全にお嬢様様だが、どことなく好戦的な雰囲気が伝わってくる。
『君は旅人にも関わらず、眷属を傷つけなかったな』
「は、い。……可愛かったので」
『ははっ!だが、感謝しているんだ。彼等は傷つけるだけ傷つけ、その後の事を何も考えない。お前のようなものが居れば、1つの抑止力になるだろうさ』
「……それは」
『お前のもとには恐らく色々な縁が集まるだろう。それを活かすも殺すもお前次第だ』
「がんば、ります」
『あぁ』
意識が遠のく。
目を覚ませば、そこは自分の部屋。ログアウト完了だ。
仕事はない。お風呂に入り、ニュースをチェックして、再び布団に潜り込む。
おやすみなさい。
ログイン。
『称号「緑神ルラーグの祝福」を獲得しました』
『称号「獣達の守護者」を獲得しました。「兎の守護者」は統合されます』
『神話書庫にて閲覧可能な書物が増えました』
『ネーム :ミーア
種族 :羽根人
職業 :メイン 吟遊詩人 Lv.1
サブ 料理人 Lv.1
HP :40
MP :15
ステータス
【詳細省略】
スキル
歌唱Lv.4
演奏Lv.1
料理Lv.2
解体Lv.1
書記Lv.2
神話書庫Lv.3
生活魔法Lv.3
拡声Lv.3
作図Lv.2
裁縫Lv.1
言語Lv.4
飛行Lv.2
炎熱耐性Lv.1
鼓舞Lv.1
言語(獣)Lv.1←UP!
睡眠向上Lv.1→2
採取Lv.3
植物鑑定Lv.2
回避Lv.2
守護Lv.1←New!
植物耐性Lv.1←New!
植物魔法Lv.1←New!
戦場家事
残りSP:3』
魔法詳細
Ⅰ 着火 Ⅰ 水作成 Ⅰ 土作成 Ⅰ
Ⅰ 風波 Ⅰ ライト Ⅰ 暗闇 Ⅰ
Ⅰ 回転 Ⅰ 停止 Ⅰ 温風 Ⅰ
Ⅰ 成長 Ⅰ
神話書庫
・炎神アーレフⅰ〜ⅲ、Ⅴ
・緑神ルラーグⅰ〜ⅲ、Ⅴ
・水神ターシュⅰ、Ⅴ
・大地神グランドⅰ、Ⅴ
・風神サウィンドⅰ、Ⅴ
・太陽神ナムラⅰ、Ⅴ
・月神ヌサラフⅰ、Ⅴ
称号 非戦闘員
効果:戦闘系スキル自動習得不可。非戦闘系スキ
ル習得必要経験値減少、獲得経験値上昇
共に生きる者
効果:生活系スキル獲得条件緩和、条件開放1
空で生きる者
効果:スキル「飛行」を獲得
炎神アーレフの祝福
効果:スキル「火炎耐性」、「鼓舞」を獲得。生
活魔法に「温風」を追加
緑神ルラーグの祝福←New!
効果:スキル「植物耐性」、「植物魔法」を獲
得。生活魔法に「成長」を追加
兎たちの寝床
効果:スキル「睡眠向上」を獲得、兎族からの好
感度向上値上昇、兎族からの敵意減少
獣達の守護者←New!
効果:スキル「守護」を獲得、獣族が庇護下にい
る場合防御力・生命回復値向上
スライムの守護者
効果:スライム族が庇護下にいる場合防御力・生
命回復値向上
架け橋となるもの
効果:言語系スキルの習得必要経験値減少、異種
族からの敵意減少、条件開放2
地に還すもの
効果:アンデット系へのダメージ上昇、攻撃透過
無効』
そろそろチュートリアルを終わらさなければ。友人が待っているし。
―――ログインしてからゲーム内時間で3日後。私はチュートリアルを終えた。
「……これは」
思っていたよりもギスギスした雰囲気。全体的に愛想がない感じだ。そのせいで旅人側も暗い。活気もないし。
後になって考えれば、こうなったのもある意味仕方がないかなぁというものである。
だが、そんなこと、このときの私は知らないわけで。
「んじゃ、頑張りますか」
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