お茶会当日になりました。
お待たせしました。
よろしくお願いします。
結局あのまま公爵とは話すことなくお茶会当日となった。
服や装身具を昨日新調してもすぐには届かない。
既製品を使うしかないことに気づき、結果、前回と同じ衣装になった。
仕方ない……回帰したのがもっと前で、あんな不毛な喧嘩さえしなければ考えてた衣装に出来たかもしれないが、今は当日、しかもお茶会の会場である王城のバラ庭園だ。
すでに集まっているご令嬢方とその親は王妃様とアルベルト殿下に売り込み営業中だ。
この光景に前回との違いは無い。遠目で見てるとニコニコしてる美形親子の周りに集まる女子達の目線でのバトルが繰り広げられている。
そして、私はというと……
「女子って怖いなぁ……」
結局、前回同様壁の華に徹するつもりだ。
が……、前回と違うことが一つ。
横に何故か公爵がいるのだ。
前回のお茶会では公爵も公爵夫人も不参加だったはずだ。
不参加理由は当時分からず、仮にも宰相家でありながら放置だった。おそらくは公爵夫妻揃って娘だと紹介したくなかったのだろう。あの時も中々に地獄だった。挨拶は1人でした。壁の華気取っても聞こえるは不義の子だなんだと噂話。
そんな中で自分を売り込む気は無く、両親の付き添いもなく、挨拶だけして全く話をしていないのにアルベルト殿下から翌日求婚されたのだ。単純な私はその時、疑いもせずアルベルト殿下が好きになった。彼が話をした事もない私に求婚した理由も知らずに……。
「愚かだったなぁ……」
呟きながら集団を見ていると隣から声がかかった。
「我々も行くぞ。来い」
「はい」
昨日の事など無かったかの様に振る舞う公爵の後をついていく。
あの集団の中に行くのか……
怖いなぁ……
笑顔なのにみんなめっちゃ目がギラギラしてるもん……
でも凄いよね。と、若干関心もしているのだ。
笑顔で目をギラギラさせつつ、殿下を褒めつつ、更には我が家の噂話までしているのだ。
私だったら絶対に目も表情筋も喉も疲れて気持ち悪くなりそうだ。
「王妃陛下、アルベルト殿下。ご無沙汰しております」
「まぁ、アルマンディ公爵。お久しぶりね。」
王妃陛下が挨拶を返して下さる。
「公爵。お久しぶりです。今日は参加してくれてありがとう」
聞き慣れた声より少し幼い声で殿下も返事をする。
「そちらのご令嬢は?」
「はい。娘になります。」
公爵が言うと、ザワザワと周囲の話声が聴こえてくる。以前と同じ、出生についての噂話、きにするだけ無駄だ。
「挨拶しなさい。」
「はい。
王妃陛下、アルベルト殿下、お初にお目にかかります。ロイド・アルマンディ公爵の長女ソフィアともうします。」
「ソフィア嬢参加下さりありがとうございます。楽しんでください。」
「ありがとうございます。」
その後もいくつか社交辞令の挨拶を交わし、その場を離れた。
公爵はしばらく話を続ける様で私だけその場を離れた。
「つかれた……」
視線や噂話から逃げたくてバラ園を離れ近くの東屋に移動した。前回の回帰前にも度々使っていた避難所だ。バラ園を眺めながらも静かに過ごせる場所。足は自然とそちらへ向いた。
公爵と話をしながらも見てくる殿下が見ていたことにも気づかずに。