どう言い訳しても育児放棄です。
読んで下さりありがとうございます。
m(*_ _)m
体調不良等ブライベートのゴタゴタで時間かかってしまい申し訳ないです。
しばらくゆっくり執筆になります。
公爵から淡々と語られる言い訳。
「だが……、ルシアは嫁いでお前を身ごもり出産するまでずっと、そして今も不貞を働いたことはなく、それは彼女の侍女を始めとした皆が証言した。何より似ては居なくともお前はルシアが産んだ娘だ。我が公爵家の娘だ。育てる義務と責任がある」
確かに産んだ以上、責任をとるのが当然だ。
貧民街に行けば育てる義務を果たせず子を手放すしか無かった親、成長を見守ってくれるはずの親に売られたり、流行病に生命を落としてしまう子もいる。そういった悲しい現実もある以上、愛情は無くとも最低限の衣食住が保証されていたのだ。育てる義務とやらは果たしたことになるだろう。
私が望むこの思いはただのないものねだりなのだ。
それ以降も公爵の話は続いた。
「葛藤しながら育てていたが、ヨシュアが産まれてから変わった。ルシアはヨシュアが私に似た色の瞳と髪色、顔立ちもはっきりしてくるとともにお前が産まれる以前の様に快活になり、公爵夫人としての責務も果たせるようになって来た。だからこそお前を見ると我が子とどうしても思えず、そんな私の態度を見てルシアもお前と疎遠になっていったんだろう」
すまないと、言うこともなく公爵の話は静かに終わった。
そして今回の王子とのお茶会、決まれば彼らは私に対しての子育てごっこが終わる。
彼らはそれを望んでる。
「公爵様方の私に対しての思い、理解しました。そして公爵様が私の名前をお忘れな事も」
「何?」
「覚えていらっしゃらないでしょう。先程からルシア様のお名前は呼ばれても私の名前は呼んでいない。気づいてないのですか?」
ハッとしたように私をみるが遅いだろう。
「そもそもあなた方が名付けたかどうかすら今のお話では定かではありませんでしたね。明日のお茶会の件、了解致しました。ですが、私には室内ドレスしかございません。既製のドレスを用立てるご許可をお願いいたします」
「待て!」
「何故?」
何故、待つ必要があるのだ。
「私たちの態度がお前に誤解を与えたのなら謝罪しよう。だが……」
「だが、お前は私達の家族で娘だ。……でしょうか?名前すらお忘れの様ですのに?今更ですね。明日のお茶会、厄介者が去る良い機会になりますように。衣装の用意をしますので失礼致します。」
もう、何も聞きたくない。
結局最後まで名前を呼んでくれることは無かった。
最後の期待ももう心には無くなった。