俗に言う親子喧嘩ってやつですかね?
遅くなりました。
ブックマーク、評価ありがとうございます!(´▽`)
よろしくお願いします。
顔を真っ赤にして怒っている公爵に更に言う。
「今まで大人しく公爵様の言う通りにしてきました。たとえ容姿が貴方に似てなくてもいつかは自分の娘だ……と言ってくださると。名前で呼んで、頭を撫でて下さると。でもそんなこと一度も無かった。」
そうだ。公爵がどう思おうと知ったこっちゃない。
こっちは回帰前に娘が死んで喜んでたこの人を知ってるんだ。
今までわがままも言わず最低限、下手したらそれ以下でも我慢してた。でも間違いだったんだ。
だったらこの後殴られようとなんだろうと知らない。
所詮は血縁だけの親なんだからこの際子供らしく大人に向かって感情任せに泣き叫んでも構わないだろう。
「父と呼ぶなと言われ、母と呼ぶなと言われた!それでも、いつかは抱きしめて頭を撫でてくれると思ってた!」
そうだ。呼ぶな、と、そう言われた時に諦めてしまえば良かったんだ。
愛してくれるはずのない両親に振り向いて貰おうなんて時間の無駄だ。
そう思い始めると今までの不満や不安、怒りや悲しみがどんどん湧き出てきた。
「どうして貴方達は私を捨てなかったんですか?そうすれば……」
ついに限界に来たのか公爵が机をドンっ!と叩いた。
「捨てる……だと?」
「?私を娘だと思わないのであれば家門の何処かに養女に出すでも、孤児院に捨てるでも、何だったら処分するでも。貴方方の視界に入る以前にそもそも居なかった、産まれなかったことにすることも出来たはずです。」
「それは……」
先程までの怒りに任せた表情から一変して何処か戸惑っている様子だ。そうだ。どうして捨てなかったのか……。
「ご自分の娘と思いたくなければ産まれた瞬間亡き者にすることも貴方には容易く出来たはずです。そうすれば良かったのに……」
回帰前にも思っていたこと。
どうして私はずっと疎まれて生きてこなければいけなかったのか。
「お前は……」
話そうとして口を噤む公爵。
しばらく沈黙が流れるがお互い口を開かずいる。
数分たった頃、公爵が口を開いた。
「お前は確かに産まれた頃に見た容姿は私やルシアに似ていなかった。ルシアを疑い離縁なりお前の言うような対処を考えたこともあった。だが……」