処刑されました。
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「ソフィア·アルマンディ、時間だ」
ジェラルドの声が聞こえた。
どうやら眠っていたらしい。このベッドも毛布もない寒くてくらい場所で……
我ながら割と図太い神経をしている。
騎士達に連れられて歩いた断頭台への道は随分と短く感じた。
断頭台を見上げると大きなギロチンが建っている。
昔、当時の政権に不満を持ちクーデターが起こった際に沢山の罪人が処刑されたと聞く。
ジェラルドともう一人の近衛隊の騎士様が私の両サイドに立ち、断頭台へ私を倒し体を固定した。
「これよりソフィア·アルマンディを王太子婚約者、カーラ·アルマンディ公爵令嬢への殺害容疑および障害事件の主犯として斬首する!始めよ!」
国王であるロイド·クロステルド陛下の声があがり処刑の刃が降ろされた。
刃が降り、私の頭を落とすまで時間があった。様に思えた。
その間に見渡すことが出来た。
こちらを憎悪の眼でみる殿下とその横で腕を絡めこちらを見下し笑うカーラ、見世物を見るように談笑しながら処刑をみている両親と国王夫妻。
こんな馬鹿げた為政者がいる限りこの国は後々滅んで行くだけだろう。
刃が近づいてきた。
もう間近だ。もし、もしも生まれ変わって貴方達に出会うことがあっても今度は絶対に愛さないし、求めない。絶対に……
ゴトリ……
……………………
「……様、お……様!……お嬢様!」
えっ!?
声が聞こえ、ガバリ!と起き上がるとそこは昔住んでいた公爵邸の離れにある自室だった。
「お嬢様!良かったです!医師様をお呼びしますね!」
侍女が慌てて出ていった。
ちょっと待て。一旦待って。
死んでないってなんでだ?首は?首はどうした!?
体が動き、ペタペタと顔や首、体を触っていく。どうやら五体満足らしい。
触り終わってパッと手を見るとなんかちっこい。
え?誰だ君は……。
新しく混乱……。
……うん。とりあえず医者だ医者。
待ってたら連れてきて来れるらしいし、待ってよう。
しばらく待って居ると侍女が医者を連れてきた。
「うむ。もう大丈夫でしょう。」
優しい笑顔のおじいちゃん先生が太鼓判を押してくれた。
「それでは、わしはこれで。また何かございましたらいつでも」
そう言っておじいちゃん先生は帰って行った。
「お嬢様!ほんとに良かったです!」
侍女が泣きながらそう言った。侍女の名はメルティ。私の小さい頃からの味方。でも、学園入学時にメルティは父のロバート·アルマンディ公爵に暇を出されそれ以来、あの処刑の日まで会うことはなかった。
そのメルティがいるということは11歳の学園入学以前の夢ということだろうか……。
さっき自分の体を触ったがまだ理解が追いついていない。
こういう時はどこぞの国では頬をつねるらしい。
どれ、試しに、えぃ!
「いたっ!」
「お嬢様!?」
ギョッとした眼で私を見るメルティに苦笑して答える。
「えっと、メルティ?ちょっと今混乱してて今はいつ頃かしら?」
「勿論です!お嬢様は今、8歳で明日、第一王子殿下との婚約を見据えたお茶会の予定です!もちろん、お嬢様の体調が悪ければ公爵様に御相談も可能ですよ。」
……まさかの8歳に逆戻り……
しかも明日がお茶会……また繰り返すわけにはいかない。
「ありがとう。メルティ。まだ体が辛いから夕食まで休んでもいいかしら?」
「勿論です!夕食はお部屋にお持ちしますね!」
頷き、メルティは退室した。
今度は絶対に間違えてはいけない。