忙しい悪役令嬢ポジションの令嬢は拳で解決する可能性がある
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「ミリアリアさま!あの男爵令嬢を放っておいていいのですか!」
令嬢としては少し大きめな声で言われた公爵令嬢ミリアリア ハンベルクは困ったように返した。
「まあ、よくはないのですが…」
そう、よくはない。
しかし、実際に婚約者であるアルベルト侯爵令息には注意をしたり、話し合うためにお茶会をしたりとやれることはやってきていたのだ。
本人に響いているかは別にして。
「あの男は2、3発ほど殴らなくてはわかりませんわよ!」
「いや、殴ってはいけませんわよ?」
辺境伯令嬢ということもあるのかレイチェルはまあまあ血の気が多いのだ。
「わかるかどうかは別にしても、私は男爵令嬢と接する機会もありませんしねぇ。」
ミリアリアとその男爵令嬢は受けている授業も違う。
それに生徒会の仕事もしているのでこれ以上の時間をアルベルトや男爵令嬢にかけることができないのだ。
「注意するお手紙だけでもだしておきましょうか。」
現在、できることはそれくらいだろうか?
「ミリアリア様!そんなことを言っていては冤罪でもでっちあげられたらどうするんですか!?」
おっと、そんなことは考えてもいなかった。
「そうですわね。常に誰かと一緒にいて私が何をしていたか記録をとる必要がありますね。」
公的な記録の方がいいかもしれない。
なにがよいか考えなくては。
そう考えていたらレイチェルは少し考えを改めたようだった。
「ミリアリア様、アルベルト様を殴る時は是非私にお声がけください。」
代わりに殴ってくれるのだろうかと思ったが。
「その時は私のメリケンサックをお貸しいたします。」
攻撃力を大幅にあげる武器を貸してくれるようだった。
ミリアリアは淑女の笑みで答える。
「その時はよろしくお願いしますね。」
レイチェルのメリケンサックをミリアリアが使うことになるかどうかはアルベルトの今後の素行によるのだが、当の本人はそんなことを知るよしはないのであった。
ざまあが書いてみたかったのですがなかなかうまくいきません。
とりあえず、メリケンサックを借りるような未来がこないことを祈っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。