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恋したあなたはゾンビでした。  作者: えでんさん
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永久に

休日の午後

いつの場所、いつもの待ち合わせ場所、いつもの時間

彼は1秒も遅れることなく待ち合わせ場所に来てくれる。

毎週日曜日、午後1時駅前の噴水の前のベンチ。


お付き合いして2年私たちカップルは、毎週のデートを重ねてきた。

私にはもったいないと思うすごくかっこいい彼

背は高く、爽やかなルックス並んで歩くと女性だけじゃなく男性すらも振り向かせる。


遅刻なんてしたこともないのに、いつも笑顔で「お待たせ」と現れる。

優しく包み込んでくれる彼の愛を感じて、私はすごく心がキュンとなってしまう。

半年・・・1年・・・1年半・・・・

少しは慣れるかと思ったけど、変わらず彼を見るとキュンとしてしまう。


2年たった今でも、歩くときは少し距離をあけて

手をつないだこともまだない

親友の由香利からは、会うたびに「そんなんじゃ、他の人にとられちょうよ」なんて怒られる。

由香利にはまだ・・・いや一生かな話せない事があるんだ。

心配しないで、彼は私じゃないとだめだし私も彼じゃないとだめ。

一生を共にするそんな関係なんだよ。


一生なんて思っているけど、私達みたいな関係がもっと広まる日が来たらきっと話せるかな。


今は私だけが知っている彼の秘密



その日は週3で入っているバイトだった。

遅くまで営業している駅前のレストラン

決まった時間で終わるはずが、来た時から辛そうにしていたバイト仲間が早退したことで

2時間ほど終わる時間が伸びてしまった。

暗くなった道を歩きながら家へと急いでいた。

駅前を離れ郊外の住宅街に向かうと、遅くなると人通りも無くなり街灯だけが一定間隔に見えるだけだった。


歩きなれた道、路地の奥に人の気配を感じた。

普通なら人の気配がしても立ち止まることなく帰るはずなのに、吸い込まれるように薄暗い路地に入っていった。


立っている人と倒れてるいる人

遠くから照らされた、街灯の光で出来た影で二人居るとわかった。

暗闇にも目が慣れてきた、倒れている男性らしき人からは赤黒い液体が体から流れていた。

少ししてそれは血であると理解できた。

立っている人は後ろ姿だが短い髪、体格から男性と理解できた。

立っている男性の左手からは液体がポタポタと流れ落ち、右手には何かを持っているようだった。

私の気配に気づいたのか、その男性はゆっくりこちらを向いた。


血を流して倒れている男性

ゆっくりこちらを向いた男性も両手は、血らしきものが付いている。

今思えば、「キャー」とか叫んだり

その場で腰を抜かしたり、逃げるとかするんだろうなと思う。


振り向いた彼の口には血が付いていて、目は眼球が見開き鬼の形相だった

私はそんな状況なのに驚く事も逃げる事もしないで

振り向いた彼の顔を見つめていた。


振り向いた男性は、見つめる私の顔を見ると鬼の形相は無くなり

爽やかな笑顔で「こんばんわ」と声をかけてきた。


どうしてだろう

この状況で誰もこんな感情にならないだろうな

その笑顔を見て、私は彼に恋をした。


「少し待っててね、今ご飯中なんだ」

そう言い彼は、右手に持っている血まみれの内臓らしき物を口に持っていき食べた。


そう私しか知らない秘密   愛する彼氏はゾンビ


「今日は遅いしまたね・・・・日曜日駅前の噴水の前のベンチそこで会おう」

そう言うと私の返事を聞く前に、目の前に倒れている血まみれの男性を軽々と持ち上げて暗がりの路地奥に消えていった。





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