コント 爆弾
(爆弾役が舞台中央に座っている)
ツッコミ「見ろ。あれが通報のあった爆弾だ」
ボケ「マズイな。思ったより大きいぞ」
ツッコミ「ともかく、液体窒素をかけて作動しないようにしよう」
ボケ「そうだな。頼んだ」
ツッコミ「よし。かけるぞ。シュー」
ボケ「ショウ!」
ツッコミ「シュー」
爆弾役「ゲン!」
ツッコミ「今の何! 爆弾がしゃべったんだけど!」
ボケ「やはり、国際テロリストのショウ・シュウゲンによるものか」
ツッコミ「そいつが作った爆弾てしゃべるの? てか消臭元じゃん!」
ボケ「奴の手による爆弾は一癖も二癖もある厄介なものだ。液体窒素をかけても作動するという。だが奴の手口は俺が誰よりも知っている。解体していくぞ」
ツッコミ「不安だな、おい」
ボケ「まず右のネジを外すんだ」
ツッコミ「これだな」
ボケ「左のネジの次は奥のネジ。そしてこのラバーを、歌うんだ」
ツッコミ「歌うの? 爆弾にかかっているラバーを外すんじゃなくて?」
爆弾役「サーティ! トゥエンティナイン!」
ボケ「ぼやぼやしているからカウントが始まってしまったじゃないか!」
ツッコミ「歌うって何!?」
ボケ「あなた以外に連れはおれへんのよ 近そうでまだ遠い大阪♪」
ツッコミ「大阪ラバー?」
爆弾薬「カチャ。カウントストップ」
ボケ「よし、外れた。カウントも止まったな。ラバーを外すにはラバーを歌うのは基本だろう!」
ツッコミ「どこの基本だよ!」
ボケ「次はコードの対処だ」
ツッコミ「答えてくれよ。ああもう、わかったよ」
ボケ「赤いコードを切ってくれ」
ツッコミ「これだな」
ボケ「青コードだ」
ツッコミ「よし」
ボケ「その短い赤いコードを」
ツッコミ「これか」
ボケ「次はGコードだ」
ツッコミ「よしGコード……ってどこだよ」
ボケ「GコードといえばGコードだろう!」
ツッコミ「だからそのGコードがどこだっつの!」
爆弾役「トゥエンティ! ナインティーン!」
ボケ「クソ、カウントが始まった! こうだろうが!」
ツッコミ「ギターの弦の抑え方? てかそれちゃんとやれてないよな。Gコードって難しいやつだろ」
爆弾役「ピアノのGコードでも可。ピアノのGコードでも可。カウントストップ」
ツッコミ「知らないよ。なんで爆弾の解体に音楽が出てくるの?」
ボケ「奴の手口だ」
ツッコミ「どんな手口だよ」
ボケ「そして次は呪文が必要だ」
ツッコミ「どんな原理でこの爆弾は爆発するんだよ。どこのファンタジーだよ。消臭元がきたから今度はファブリースか?」
爆弾役「テン! ナイン! エイト!」
ボケ「なんて呪文を唱えたんだ! ファブリースは爆発の呪文だろう!」
ツッコミ「なんで消臭剤の商品名がそんな呪文になっているんだよ!」
ボケ「奴の手口だ!」
ツッコミ「知らねーよ!」
爆弾役「セブン! シックス! ファイブ!」
ツッコミ「ヤバイ、どんどんカウントが進んでいく!」
ボケ「よし! 最終手段だ!」
ツッコミ「何だよ、それ!」
爆弾役「フォー、スリー、ツー…………ワン!」
ボケ「タン!!」
(ボケと爆弾役、ツッコミに指をさし、何かを訴えかけるような視線)
ツッコミ「……メン?」
ボケ・爆弾役「OK――――! ヴィクトリーーーーー!! 勝利ーーーーーー!」
(ボケ。爆弾薬ハイタッチ。その後敬礼)
ボケ・爆弾役「解体完了!」
ツッコミ「何これ」