世界の終わりとはじまり
「小説家になろう」初投稿です!っていうか小説が初めてです。話自体は昔から考えていたので読者の皆様には楽しんでもらえる話になっていると思います!自分自身ミステリー系の話が好きなのでミステリーの要素も入れてみました。作中の伏線やタイトルの意味など考察しながら読んでいただけるとより一層楽しめるかと思います。
──カッチ、カッチ、カッチ、カッチ
その部屋には時計の針の音だけが響いていた。
針は十七時をさし、電気はついておらず明かりはゲーム用のモニターだけ。
カーテンも閉め切っている。
そんな静かな部屋に一人。
その男はゲームに疲れベッドに転がっていた。
高校一年生というのは飾りで今日も学校には行っていない。
「あー。何しよっかな」
買ってきたゲームをクリアしたばかりだが寝る気はないようだ。
「兄ちゃんが言ってたゲームなんだっけな」
前、兄に紹介されたゲームの名前を思い出せない。
男は思い出すのを諦め、兄の部屋のドアをあける。
この時間なら兄はまだ学校だろう。
椅子に腰をかけパソコンを起動する。
マウスをクリックし、どんどん画面をすすめていく。
「これかな」
ゲームを起動した瞬間。
ガチャ
狙ったかのようなタイミングで玄関が開く。
リビングからは兄と母の声が聞こえてくる。
一緒に帰ってきたようだ。
──やばい。怒られるかな
そんな思考を遮るようにパソコンが大きな音を出す。
男はドアを開けながら謝った。
「兄ちゃん、ごめん。ちょっとパソコンかりて……」
男は喋るのを途中でやめ、異変に気付く。
俺の体は紅色に照らされ、リビングは火の海になっていた。
それはまるで漫画の世界の魔法や超能力……。
「やばい、逃げないと」
兄ちゃんの部屋に逃げ込もうとする俺に聞きなれた声が届く。
「お前は俺の弟だ。大丈夫」
兄ちゃんはこちらに手を伸ばしながら言った。
──大丈夫? どこがだよ。
兄の部屋のドアに手をかけた俺の心には「迷い」が生まれていた。
きっと助けに行っても二人ともダメだろう。
俺の頭の中で「後悔」という言葉が暴れる。
俺は自分をバカじゃないと思っていたが兄の手を掴まないとと思った。
俺が人であるために。
そう決めた瞬間、視界がゆがむ。
呼吸が苦しくなる。
「ああ。十六歳、童貞にして俺は死ぬのか」
男はその場に倒れこみ、「迷い」を恨む。
──ああ、神様。あの瞬間の「迷い」と「後悔」のためもう一度……。
そこで男の意識は途絶えた。
読んでくださり本当にありがとうございます!
記念すべき第一話です。ここからの話にもご期待ください。
コメント、ブックマークはモチベにつなるので超喜びます。
週一の投稿になるので次週もよろしくお願いします!
とる猫。