98 蔵書点検あれこれ 2
こんにちは。
なんだかんだ言って、こちらのエッセイもはや100話に届こうという話数になってまいりましたね。ここまでお付き合いいただいている皆様、まことにありがとうございます。
ということで、今年も年度末がやって参りました。
年度末といいますと、私の場合、基本的に図書館の一大イベント「蔵書点検」が待っております。しかも、現在は2校兼務ということもあり、両校ともの蔵書数を数え上げねばなりません。
まあ、一人でやることですし、まだこちら地域の学校図書館ではバーコードはつけていても蔵書システム、つまり電算化の構築が遅れておりますもので、単にデータ上の冊数と実際の冊数をつき合わせる作業にすぎないのですけれどもね。
……とはいえ!
たったそれだけでも、一人でやるとなると結構な作業量になってしまいます。まあ、一校だけでも8千から一万冊ぐらいはあるわけなので……。
という、このあたりのことは第十話の「蔵書点検」の項でも少しだけはお伝えしたとおりです。
ということで、今回は前回書いていなかったことと今年の状況などをまとめて少しお話したいと思います。
まず、どのような作業であっても大事なことですが、やっぱり大事なのは事前準備。
「本を数えるだけ」とは言いつつも、やっぱり作業量がハンパないので、そこはしっかり工夫しています。
まず第一の工夫は、未返却本を減らす! これです。
未返却本はないに越したことはないものの、生徒も先生もどうしても数名は返しそびれたままにする人がいます(いや先生は勘弁してほしいですけどもね、正直・苦笑)。
でもまあ、それが学校。その数を把握して、遅れていてもなるべく返却してもらえるように事前にしっかり働きかけをしておく。まずこれが一つ目。
二つ目は、本棚そのものの整理。
一般の生徒さんや図書委員が自分で本を本棚に返すようにしていると、どうしてもNDCの違う棚に本を「なんとなく適当に」戻してしまう人がいますよね。そういう本がないかどうかをチェックしつつ、本棚を整理しておきます。
まあ実際には、数えている最中に違うものを発見して、正しい棚に戻しながらの作業になっています。ついでに、背表紙がばらばらに押し込まれたりしていることが多いので、そこも面を合わせて整理。
三つ目。
本を数えるときに使用するシートを作成しておく。
私の場合は、壁ごとにA列とかB列などと名前をつけ、「A-1」「A-2」……などと本棚に先に番号をふっているのですが、その棚ひとつにつき一枚のA4の紙のシートを作成しておきます。
その紙の上で先にNDCごとに合計できるようにしておいて、それをあとからExcelの表に打ち込んでいきます。
このExcel表も以前自作したものですが、棚ごとにNDC別に数を打ち込んでいけば縦列、横列で合計が出るようにしてあり、NDC別にそれぞれのパーセンテージも出せるようにしています。
こうしておけば最終的に、図書標準と自校の蔵書内容がどのぐらい違っているかを比べることができるわけです。
もちろん、整備が追い付いていない状態だとNDCのラベルが古すぎて読めないものや、背ラベルがないものなどもあるので、そうしたものは「不明」という項目をつくって計上。
そのほか、図書準備室や職員室や保健室、また特別支援学級の教室など図書館以外の場所に置かれたままになっている本も忘れず計上。
それで最終的に、この一年で購入や寄贈されたり、除籍したりして計算してきたデータと突き合わせて、どのぐらいの差がでているかをチェック。
その結果をプリントアウトして、図書担当の先生と教頭先生にお渡しする、までが一連の作業となります。
今年は、ひとつめの学校で、数えた本の数がなんと200冊以上もデータよりも多く、「な、なんで……???」と頭を抱える結果になりました。昨年度も蔵書点検しているのに、どうしてこうなってしまうのか!
でも、やっと数え終わったところでほぼタイムアウトになってしまい、詳しく精査する時間がなく、調べるのは4月に回すほかありませんでした……無念。
もう一校のほうは幸いデータより10冊だけ多いという結果になり、「おおお、こっちは優秀だった~!」ということで、少しほっとしたところです。
私の場合ですが、そうして色々工夫してもやっぱり8000冊ぐらいでも10~12時間ぐらいはかかってしまうため、二日間を確保していても(一日の勤務時間が大体5時間半なので)足りません。どうしても二日半は欲しい感じです。
二校をぶっ通しで数えまくっていると、さすがに肩こりがハンパないです(苦笑)。
いやもう、これはどこの司書さんも似たような状況ではないかと推察しておりますが……。
ともあれ体には気を付けて、お互い頑張って参りましょう~(ヘロヘロしながら「エイエイオー」のジェスチャー)。
ではでは、今回はこのあたりで!