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36 「ロウソクの科学」


 こんにちは。

 今回は、ちょっと続けて参ります。よろしかったらお付き合いくださいませ。


〇「ロウソクの科学」

 ファラデー・著 / 三石巌・訳 / KADOKAWA(昭和37年)


 著者名は「ファラデー」となっていますが、本名はマイケル=ファラデー。

 イギリスの王立研究所の教授として一般の人々におこなったクリスマス講演の内容を記録し、書き起こしたものです。

 昭和37年といいますと、西暦でいえば1962年。もう58年も前の本ということになりますね。もちろん翻訳本なので、原著はさらに古いわけですが。


 ご存知のかたは当然ご存知だと思いますが、こちらの本は2019年にノーベル化学賞を受賞した日本人の科学者、吉川彰氏が子供のころに読まれ、それをきっかけに科学者としての道を志した、と紹介したことでも有名になった本です。

 実はわが校にはなかったので、必ず入れようと思っていた本でもありました。もちろん、科学分野の4類の本となっております。


 翻訳された年代が少し古いことで、やや古めかしい訳文なのは否めませんが、日本語として美しい文章に満ちています。図版も入ってわかりやすく実験の流れが説明してあり、中学生が理科で学ぶ内容を中心に説明されているので、まさに中学校向きかなあと思いました。

 ほんとうに科学を愛してやまぬ人がおこなう講演は、まことに心をわくわくさせてくれるものです。そしてこの「わくわく」が、子どもたちの将来への夢を広げて「そうなるために努力しよう」という気持ちに資するものだとも思います。


 巻末にある解説を拝見すると、このファラデーという人は、同時代のほかの多くの科学者がそうであったのとは違い、貴族出身というわけではなかったそうです。生活保護をうけるような貧しい鍛冶屋の次男として生まれ、幼い頃から家業を手伝わされていました。

 やがて小学校に通うぐらいの年齢になると、製本屋の小僧として働くようになります。そこの主人リーボーが非常に理解のある人で、彼が仕事のあいまに製本途中の本を読むことを許してくれ、自室で化学の実験をすることを励ましてくれさえしたのだそうです。

 やがて転機が訪れて……ということになるのですが、このあたりもまたドラマチック。

 ぜひ手に取って、解説部分もお読み下さればと思います。


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