33 分散登校中の取り組み
今回は予告どおり、分散登校が始まってから生徒たちを迎える際にどんなことに気を付けて開館したかについて。
感染の状況が刻々と変化していく中、現場の先生方も色んな事にご苦労なさっていましたが、司書の私はというと、週に二回ぐらい出勤するのみで基本的には自宅待機しておりました。在宅勤務は可能だったのですが、結局図書館にいないとできない仕事のほうが圧倒的に多いと思われ、私はやっておりません。
ほかの司書さんたちは、ご自宅で選書などなさっていたと聞いております。
と、いうことで。
ようやく分散登校が開始され、学校図書館も生徒たちのために開館することが決定しました。
そこで気をつけたことをいくつか挙げてみます。
①生徒の手が触れると思われる場所の消毒
まあ当然ですね。しかしながら、実は保健の先生によるとうちの学校、消毒用アルコールが枯渇しかかっておりました(大汗)。ずっと前に注文していたはずが、その時にはもう「時すでに遅し」というやつで、商品がなくなっていたようです。教室そのほかに使うものだけでもかなり足りない状況でした。
そこで理科の先生が「うちの準備室にアルコールあるから! 何ガロンもありますよ。それ薄めて作ります」とすぐにおっしゃってくださり、容器も別の先生がさっとお貸しくださって事なきを得ました。
理系、すてきですね……(ほくほく)。
基本的にはドアの把手や電気のスイッチ、カウンターテーブルの上などを中心に消毒をしていました。
②自分の筆記用具を持ってきてもらう
普段なら図書館にある鉛筆やペンを使って図書カードを書いてもらうのですが、あまり共用のものに触れないほうがいいだろうということで、この判断に。
③本を読む前後に手洗いを促す
これはこのままです。
④本を読むときはマスクをするよう促す
うちではそこまで言いませんでしたが、学校さんによっては「ページをめくるときに指をなめないでね」という注意をしているところもありました。最近、あまり見かけませんけれども、用心に越したことはないですものね。
⑤返却されてきた本は数日から一週間程度保管
要するに、返ってきた本をすぐに他の人に貸さないようにするということ。それぞれ段ボール箱や袋などに分けて別の場所で保管します。人気本だとちょっと可哀想なんですが、緊急事態なのでしかたないですね……。
⑥注意書きを簡単に書いたプリントの配布
上記のような注意事項を、ごく簡単に箇条書きにして「図書館キャラクターからのお願い」とし、図書館キャラクターのイラストも入れて、本を借りた子に渡しました。
拡大したものを図書館前の何か所かにも掲示しています。
あとはまあ、いつもどおりの貸し出し期間よりもかなり余裕をもった期間で貸し出しをしているぐらいでしょうか。
私も基本的にマスクはしていますが、声掛けなどはなるべく明るく、来てくれたことを感謝する気持ちで接しております。本当に会えて嬉しいので、「明るくしなきゃ!」みたいな気負いは別に必要ないのですが(笑)。
生徒たちのうち、特に3年生は、長くてつらい期間を乗り越えてきたせいか随分大人びたように見えました。
校舎内に子どもたちの声がまったく聞こえなくなって数か月。やっと子どもたちの楽しそうな声が響いた日には、どの先生もほんとうに嬉しそうになさっていました。もちろん私自身も外からそっと嬉しく聞かせてもらいました。
「やっぱり、学校に子どもの声が聞こえるっていいですね」と、校長先生がしみじみとおっしゃっていました。
気を緩めすぎるのは危ないですけれども、やっと戻って来た明るい面には精一杯喜びながら、また淡々と仕事を続けて参りたいものです。
お読みくださり、ありがとうございました。