表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/124

32 休校中の活動


 こんにちは。

 いや、まことに大変なことになりましたね。ようやく非常事態宣言が全国的に解除されたとはいえ、まだまだ予断を許さぬ状況と言えましょう。

 みなさま、無事にお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。


 前回、インフルエンザや新型コロナウイルスのために学年閉鎖や休校になり……という話題をお届けしたかと思うのですが、あれからまさか、ここまで長期間にわたって新型コロナウイルスの影響が出ることになろうとは、さすがに思っておりませんでした。

 こちらの地域でも、3月初頭からずっと休校がつづいておりました。

 地域の公共図書館もですが、学校図書館も当然閉鎖となり、何か月も生徒たちの顔が見られない状態が続いてきました。


 児童・生徒たちは基本的に外に出ることもままならず、気をつけながら公園で少し遊ぶ以外には家でじっと大人しくしているという、大変つらい時間を過ごしてきたことと思います。学校から出ている課題に取り組むほかは、ゲームをしたり本を読んだり、なるべく家の中でできる運動をしてみたり。

 このような中で、普段なら学校生活や塾、習い事などで忙しい中学生たちが、せっかくできた時間を有効的に使って本に親しんでくれたら何よりなのですが、いかんせん、司書としてできることは本当に限られておりました。

 今日はこの数か月間、うちの学校やほかの学校さんでどんな取り組みがなされてきたかを私の知りうる範囲で少しお知らせしたいと思います。



①学校ホームページに「図書だより」や「本の紹介コーナー」を置く

 読んで字のごとく、学校のホームページに自校の図書だよりや休校中に読むのにおすすめの本の紹介などを掲載する活動です。

 とある学校では児童・生徒だけでなく、おうちの方も楽しんで読めるような本についても紹介していました。


 ただ、この活動についてはよく気をつけなければならない点がいくつかあります。もっとも大きいのが、著作権の問題です。

 普段、プリントとして配布する本の紹介のときには(ある程度、使う画像のサイズは限定されるのですが)そこまで神経質にならなくてもよいのですが、ネット上に本の書影を掲載するとなると、著作権上さらにいろいろと細かく気を使わなくてはならなくなります。

 この新型コロナ対策期間中、記憶に新しいかたもおられると思いますが、一般の人がすでに出版されている絵本を最初から最後まで読み聞かせし、その動画を配信してしまったことが問題視されました。あれも、要は作者と出版社の権利の侵害になるというのが問題の中心でした。

 ある本を最初から最後まで見せてしまえば、見た人は「ああ面白かった」と思ってその話をすっかり分かった気持ちになり、わざわざその本を購入しようとは思わなくなるでしょう。いえ、それに触発されて購入する人も中にはいらっしゃるでしょうけれども、「購入しなくなる人が一人でもいるかもしれない」と予想されるような行為は、やっぱり著作権の侵害になるわけです。本来なら作者様が受け取るはずだった印税や、出版社が受け取るはずだった利益を損なった、とみなされるのです。

 「図書だより」や本の紹介プリントなどで本の書影を使いたい場合、それぞれの出版社に問い合わせるのが基本と思っておけば間違いないかと思います。許可がもらえた場合でも、画像のサイズなど上限の規定がある場合があるので、それも確認が必要です。また紹介文も、本の内容の「おち」に当たるところまで細かく紹介しないことは当然です。


 ここからは余談ですが、書影のほかに、とりわけ映像作品は著作権の制限が厳しいと言われています。

 たとえばアニメのキャラクターをテレビなどからコピーした画像を、SNSの自分のアカウント上で何の注釈も入れずに使えば、著作権侵害として訴えられる可能性があります。私自身SNSをやっていて、非常によく見かけるように思うのですが、これは著作権法違反ということになります。

 日本では、今はまだ色々なことが見過ごされている状態ですが、これから厳しくなりこそすれ緩くなることはない分野だろうと思われます。できるだけフリーの素材を探したり、ご自分で描いた絵や撮った写真(そこにも著作権や肖像権の発生するものが映り込むのはNG)だけを使うようになさってください。



②屋外での本の貸し出し

 色々な学校で、さまざまな工夫をして司書さんが学校の先生方と協力しながら、休校期間中でも児童・生徒の手に本を届けるための活動をなさっていました。

 具体的には、校庭など広くて風通しのよい場所に長机を並べて本を置き、分散登校で訪れた生徒や保護者に本を貸し出す活動です。本をゆっくり選んでいる余裕がない場合には、司書が学年に応じた本をジャンルごとに袋に数冊ずつ入れて、袋ごと貸し出しをした学校もありました。

 本は袋ごと返却してもらい、返却された本はしばらく別置きにして数日から一週間程度保管します。要するに、すぐに他の人への貸し出しはしません。これもコロナ対策のため、感染を拡大させないための措置でした。



 分散登校が始まってから生徒たちを迎える際にどんなことに気を付けて開館したかについてもお知らせする予定でしたが、長くなりましたので次の機会にいたします。

 お読みくださり、ありがとうございました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ