26 掲示物と百人一首
このことも、きちんと書いたことがなかったと思うので、少しだけ。
公共図書館でも学校図書館でも、対象の多くが子どもたちであることから、季節に応じた様々な館内飾りや掲示物を工夫していると思います。
学校だと、たとえばひな祭りならお雛様、子供の日ならこいのぼり、梅雨の時期なら紫陽花や傘や雨、秋には紅葉や葡萄、柿のかざり、ハロウィンにクリスマス、ヴァレンタインデー……と、時期によってさまざまに館内や廊下側の飾りを変化させていきます。
なお、うちでは来館者数を数えるための小さな札を作っています。来た生徒はすきな札を取って、自分のクラスのケースに投入してもらうものです。直径3~4センチほどの小さなラミネートした札ですが、こちらの絵柄も季節ごとに変化させています。
今なら雪の結晶や雪だるま。秋には落ち葉や満月、柿や栗、ハロウィンのカボチャ、夏には海シリーズで魚やクラゲなどになっています。
うちの場合は学校なので、掲示の材料はだいたい色画用紙や折り紙などのことがほとんどですが、せっかく作った会心の出来の飾りだと、一年こっきりで捨ててしまうのはどうしてももったいない。
という訳で、私はわりと使いまわしをしています。画用紙で作っただけだとどうしても弱くなるので、後ろから養生テープで補強してカッターでくりぬき、丈夫なつくりにしておきます。そうすると、セロハンテープで貼ったりはがしたりしても本体が傷まないので、来年にまた流用できるわけです。
もちろんそればかりだと新鮮味に欠けるので、新しいものも作って、そこへ足していっておりますが!
今年はクリスマス飾りで、図書館キャラクターにサンタ・コスを作ってあげておりました。帽子と簡単なお洋服程度ですが、それだけでも気分が変わりますよね。
ちなみに、うちの学校の場合は1月に百人一首かるた会がおこなわれるため、12月はクリスマス飾りと並行して、廊下側に百人一首の掲示もおこなっています。
具体的にいいますと、細長い画用紙を四つ折りにし、真ん中でぱたぱたと上下に開いて動かせるようにした札を作成(百枚)。表になるほうに上の句を書いて、真ん中をぱたりと上げると下の句が見えるように作ります。
こちらも、裏側からすべて養生テープで補強してあり、毎年使えるようにしております。
文章だけだと分かりにくいでしょうか。こちらサイトでイラストが入れられたら入れて置きますね。
これは別に私のアイデアではなくて、以前に研修でほかの学校の司書さんが紹介してくださっていたものです。
うちではそこにプラスして、決まり字の解説を加え、それぞれの札の決まり字を赤丸で囲むなどしています。決まり字ごとに紙の色も変え、まとめて掲示しています。
そのほか、百人一首そのもののコーナーを作って本を紹介し、百人一首の歌の意味や覚え方、競技かるたで早く札を取るための解説本なども準備して、様々に援護射撃。生徒たちは冬休み前の早い段階で、さっそく借りていっておりました。
うまく結果につながっていればいいなと思います。
ついでながら、先日、今年のかるた会も終了したのですが、今年は1年生の読手をしてもらえないかと先生からお誘いを受け、10枚だけですがみんなの前で読み手をさせてもらいました。とても楽しい時間でした。
ほかの先生方も10枚ずつ分担して読んでおられましたが、アメリカ人のALTの先生も担当されて「とてもムズカシイ!」と緊張しておられたので、読み方を少しだけ伝授。
「下の句、トゥワイス(2回)!」とか怪しい英語で説明しておりました(笑)。
みなさんの学校でも、楽しい掲示を色々に工夫なさっていることと思います。これらもすべて、利用者のみなさんを図書館へ引き寄せる手段のひとつですよね。まずは来てもらわないことには始まりませんし。
掲示物作成は、なかなか面倒な作業ではありますが、私も図書委員さんに色々と手伝ってもらって、日々なんとかかんとかやっております。
無理はしすぎず、お互いがんばって参りましょう~。