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19 図書館イベント3


 お久しぶりです。

 長い夏休みも終わりまして、こちらも二学期が始まりました。

 長いと言えば私自身、めちゃくちゃ長い間夏休みを取らせていただいておりました。

 こちらの公立小中学校の司書は、一年間に出勤する日数と働く時間に上限があるのです。先生方が出勤されている日に同じようにして普通に働いていたら、三月にほとんどボランティアで働かねばならなくなってしまうのでした。なんだそれ。

 いや、ほんとはこんな雇用の仕方ではダメなんですけれどもね。まあ給料を出す方も、ない袖は振れないってところでしょう。


 まあ、そんなことはええとして。

 秋と言えば読書の秋。読書といえば図書館! 

 というわけで、さまざまなイベントにも力を入れたい季節ですね。


 ですが、いかんせん公立中学校の二学期というと、とにかく行事の嵐です。まず九月は体育会の練習のため、先生方も生徒たちも暑いグラウンドで演技の練習にいそしまねばなりません。

 それが終われば合唱コンクールの練習。そしてそこからなだれ込むようにして文化祭へ。

 その合い間に中間テストやら期末テストやら。3年生ともなると実力テストなんかも挟まります。超ハードスケジュール。

 毎年大体こんな風で、まさに息つく間もないような状態です。


 こんな風に先生方がお忙しいため、図書館を使った授業などもあまり計画されにくい時期でもあります。この時期にそういう授業を計画するとしたら、少なくともわが校においては研究授業の発表に指名されている先生ぐらいのものです。


(と、ここまで書いておいて何なんですが、実はつい最近授業ありました(笑)。1年生の国語で、本の帯を作るという授業です。これについてはまた別項で書かせていただきますね。)


 というわけで。

 司書としては行事で浮足立ちがちな生徒たちに、なんとか図書館へ足を運んでもらえるように色々な工夫をしていく必要のある時期でもあります。


 ということで、図書館イベント。

 今年は何をしようかな~と夏休み中に色々と考えていたのですが、今回はこんなのをやってみています。


 前にもちらっと申し上げた「文庫Xエックス」。

 中身が何の本であるかを分からないように紙で包んで、表にその本の見どころやオススメポイントなどを書いたカードを貼ります。選書とカード書き、包む作業は図書委員会活動として行います。

 流れとしてはこんな感じ。


1.本を選ぶ

 基本的に図書館にある本で、図書委員に選んでもらいます。当日中、短い時間で準備するので、「夏休みに読んだ本や普段からお気に入りの本などで選ぶといいよ」などとアドバイスします。


2.本のチェック

 ほかの図書委員と同じ本にならないようにするため、本を決めたらまず図書委員長のところに持ってきてもらい、用意しておいたチェック表のプリントに本のタイトルと自分のクラス、名前などを書き込んでもらいます。

 これは、借りる人にはタイトルが分からなくても、こちらはそれが何の本なのかを把握しておく必要があるので必須です。

 こちらで先に、「1年1組の図書委員さんはAとB」みたいに、本の番号ふりもしておくとスムーズ。

 今回は全図書委員と図書委員長に本を選んでもらったので、合計で二十数冊になりました。


3.カード書き

 本を選んだ人に、こちらで準備していた「文庫X」用のカードを渡して書いてもらいます(ここにもまた図書館キャラクターが出張ってくれています・笑)。

 本のタイトルが分からないように、でも内容の面白さが伝わるように……って、なかなか高度な技術が必要です。すぐには書けないで困る子もいるので、これまたアドバイスなどが必要でしょう。

 例えば「ゲド戦記」を選んだとして、カードに主人公の名前「ゲド」が入っていたら本がばれてしまいます。そういう場合には主人公の名前なんかは書かない方がいいですよね。そういうあたりも最初に説明しておきます。描きたい子にはイラストも入れていい旨、説明しておきます。

 今回は時間がなかったこともあって鉛筆書きの子が多かったですが、ペンや色鉛筆など使ってもっと凝っても楽しいと思います。


4.包装

 中身が見えないように、色画用紙などで本を包装します。

 慣れない子だとなかなかスムーズに包めないので、適宜手助けが必要。

 今回は用意できませんでしたが、包装用のリボンや紐、マスキングテープなどを使ってそれらしく演出するともっと良いかなと思います。


5.告知

 「2学期の図書館イベントが始まりました。『文庫X』です」と、図書委員が各クラスで告知します。

 それ以外にも、図書館だよりや私が作成している新着本お知らせプリント等でも告知。


6.提供

 「文庫X」のサインを書き、専用コーナーを作って利用者に提供。

 貸出カードには「文庫X A」などと記載して貰います。こちらでは、あとでチェック表で確認してどの本が貸し出されたかを把握し、チェック表にも貸し出された日付等を書き込みます。



 大体の流れはこんな感じでした。

 今のところ、5~6冊程度の貸し出しがなされています。

 たまに主旨を把握していなくて「センセ、この本の中身なに? 面白い?」って訊いてくるような子もいるのですが、「それは開けてみてのお楽しみ!」が合言葉。

 これもなかなか楽しいイベントになるのではないかなと思います。

 さてさて、3学期は何ができるかな~。


 ともあれなにかご参考になれば幸いです。

 ではでは、今回はこのあたりで!



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