一筋の小夜時雨
星々煌めくこの夜空
黒い生地に並べた宝石
手を取り見上げた星月夜
今も変わらず回る世界に
溶けていくのは手の温もり
指でなぞるはオリオン座
遥か彼方に手を伸ばす
君が作った星座群
今は思い出せなくて
答え合わせもできなくて
月影照らした小夜時雨
星空見下ろす小夜時雨
一筋流れた小夜時雨
踏んで回ったアスファルト
目的なくした信号機
響き渡るは四つの足音
広い世界を狭い歩幅で
ちょこまか進めたどこまでも
そんなちょっとの冒険譚
星のようにゆっくりと
星のようには輝けず
儚く流れた小夜時雨
光輝く小夜時雨
儚く消えた小夜時雨
もう足音は聞こえない
一つ減った星空に
欠けた星座を見つけ出す
満天の星空は
お構いなしに輝いて
満天の星空に
一筋流れる小夜時雨