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三題噺をふる少女  作者: ◆smf.0Bn91U
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日課練習010.

そろそろ二人じゃ限界感じてきた…誰か登場人物増やすかも。

「初羽くん、好きだよ」


 彼女はボクの机に座り、真正面から見下ろしながらいつものように、恥ずかしげもなくボクに言葉をかける。


「あ……ありがとう……姫路さん」


 それにボクはいつものように、慣れることなく顔を赤くし返事をする。

 そんなボクを満足気に見つめながらいつものように、彼女は話を振ってきた。


「ねえ初羽くん、あなたの家に絵画とかってある?」


◇ ◇ ◇


「絵画?」

「もしくは壺とか」

「ああ、美術品ってこと……?」

「そ。いやつい昨日の放課後なんだけど、街を歩いてたら女の人に声をかけられたの」


 ま、まさか……。


「なんか急にポストカード渡してきてね。なんていうのかな、そういうのって咄嗟に差し出されると受け取っちゃうじゃん? そしたらなんか急にこういう絵に興味あるんですか、って聞かれて」

「……ちなみに、その絵ってどんなのだった?」

「ん? なんか海の絵」

「…………ふ~ん……」


 平坦な声を出したけど、内心はかなり興奮していた。

 だってこれ……どう考えても……。

 エウリアンじゃないかーーーーーーーーーーー……!


「…………」


 どうしたんだろ彼女……もしかして何か買わされたのだろうか……?

 放課後、ということは制服だっただろうから、何十万もするような絵を売られたなんてことはないと思うけど……。


「ぶっちゃけ何の興味も無かったんだけど、イヤに勧誘がしつこくてね。困った困った」

「……で、付いて行ったの?」

「うん」


 ま、マジか……。


「付いて行ったらそれで終わるかなって思って。で、付いて行った先には同じような絵を大きくして額縁に入れたようなものが沢山あって、買わないかって勧められた」

「ま、まさか……買ったの?」


 買ったとしたら、クーリングオフについて説明しないといけないかもしれない。


「ううん。買ってない」


 ホッと、心の中にとりあえずの安堵が訪れた。


「だってなんか、絵等の美術品が家にあることはとても心を豊かに、とか訳の分からない抽象的な勧められたかたしかしなかったし。そんなので欲しくなる訳ないって」

「じゃあどんなのだったら欲しくなってたの?」

「ん~……買った値段の二倍の価値がある絵とか」


 じゃあ普通に売らねぇよ。


「あ、後は初羽くんがわたしを好きになるとか、そういう効果があったりするのかな」

「あ、ああ……そう……」


 ……どういう反応をすれば正解なのか、本当に教えてほしい。


「まあそんな訳で、もし初羽くんが持ってたら本当に心を豊かにするかどうかを教えてほしいかな、って思って」

「そ、そういうこと……でもごめん。ボク持ってないや」

「うん、聞いたから大丈夫。ま、観賞用の存在なんて、わたしにとっては初羽くんだけで十分だから」

「いやいや、ボク姫路さんに見られるためにいる訳じゃないから……」

「でもホント、真っ裸でわたしの家にいてくれるだけで良いんだけど」

「家にいるだけでもおかしいのに裸でとなっ!?」

「あ、そうだよね、うん。やっぱり薄っすらと着ていてチラリズムを刺激するようなものが良いよね」

「そういうことでもなくっ!」

「でもパンツ見せ続けよりも、程よい長さのスカートから見えた方が興奮するよね?」

「っ……! そ、そんなの……答えられないよっ……! 全く……姫路さんと話してると、ボクの心の平穏が無くなるよ。豊かさとかどうとかの話じゃないって」

「戦争してる時の兵士よりは平穏だから、大丈夫」

「比べる対象との落差酷いっ!」


 まさか戦争なんかと比べるなんて……。


「でも戦争とそういうのは切っても切れ――と、この話題は色々と敵を生み出しそうだな……」


 何故か急に口に手を当て言葉を止めた。

 ……何故なのか。


「……どういうこと?」

「そのままの意味よ。……って言っても、わたしもお母さんにそういうことを外で話すなって言われただけだけど」

「はぁ……」

「……きっとこれは、恋と関係あることよね」

「なんでっ!?」

「恋は戦争、って言うから」


 ボクそれ、何かの曲で聞いたことある。


「でもわたしの場合、戦争するための相手が落としたい相手そのものなんだよな~……」

「…………」


 だから、こう言われた場合はどう反応するのが正しいのかと。


「ま、もしかしたらわたしが知らないところで、血で血を洗うような戦争が起きてるのかもしれないけど」

「血で血を洗うって……そんな物騒な」

「漫画とかだとそういうもんよ? ま、さすがに直接的な攻撃をしてくるのは化石ばりに古いけど」

「そうなの……?」

「今ならほら、ネットとか、裏サイトとか、ライン無視とか、そういう精神的な攻撃が多いだろうけど」


 戦場はネットの世界、ってやつか……。

 その辺は身近なことでも実際の戦場でも変わらない、ってことか。

 そう話を閉めたところでキリ良く、チャイムが鳴った。


「お、今日はバッチリ」


 そこで机を降り、自分の席へと戻る姫路さん。


「…………」


 観賞用、って目的なら、ボクよりも彼女のほうが圧倒的に需要があるだろう。

 なんなら、巧い人の絵だけでも値段が付けられそう。

 ……まあ、それでもボクは買わないんだけどね。

お題は

 「戦争」

 「化石」

 「鑑賞用の存在」

でした。

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