プロローグ、俺にも夢があった
「ここから落ちた人は、地獄に行って罪人になるらしいよ。」
そこは、何の変哲もない道路だった。通学路の曲道、有料駐車場の前だった。
「へえ、なんでそんなことがわかるんだい?竹林。」
竹林が、こいつが何を言ってるのか意味がわからない。俺は、確実にそう思った。
「決まってるさ、このゴシップ雑誌に書いてあるからだよ。」
「はは、そんなわけあるかよ。何言ってんだよお前、頭が湧いたか?」
俺は、足を止めて即答した。だってそうだろ?もう俺は、サンタすら信じていない。
「なあジュン、噂ってさ、ぶっちゃけ正義みたいなものなんだよ。
正義ってのは、中身がなーんもない空色の言葉なんだよ。
そんな中身の無い言葉が、中身が有るように見えてるだけなんだよ。」
「なんだよ、って言いすぎだろお前」
「ジュン、お前は、何もわかっちゃいないよ。
いいかい、君がいくら揚げ足を取ろうとも権力は、僕に有るんだ。」
俺は、竹林が何を言ってるのかわからなかった。
竹林は、小学校でずば抜けて頭が良かった。だから俺は、話について行けないのだろうか。
そもそも、こいつの主張に対峙できているのだろうか。
俺には、よくわからず、結局二人でこの噂の場所に立ち尽くしていた。