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一個目のボール|二十件

「また、レッドボールですか?」

 一人の若い刑事が年老いた刑事に話しかける。

「ああ、首を絞めた後に口にレッドボールを咥えさせて放置。今月に入って二十件だ」

 若い刑事は「やれやれ」と首を振りながらため息をついた。

「らしくないな。ケヴィン、お前のいつもの威勢はどうした?」

 ケヴィンと呼ばれた若い刑事はベレッタM92Fを死体に銃口を向けて構える。

「多すぎなんですよボニーのオヤジ。レッドボールも、アンデッドも」

「そうだな」

 ボニーと呼ばれた年老いた刑事も死体に向けてデザートイーグル50AEを構えた。その時死体が起き上がると同時にケヴィンとボニーに飛び掛った……が空中で二人の放った弾丸をまともに身体中に受け、地面に落ちた。

「レッドボールマーダー、この事件の手がかりさえあればな……」

 ボニーのつぶやきにケヴィンは「そうですね」と答える。死体は黒い血を流して二度目の死を迎えた。


 レッドボールマーダーケース、六月の上旬から続く連続無差別殺人事件の通称である。

 最初の被害者は、ごく普通の女子高生でミューラー通りの路地裏で発見された。死後三時間が経過したところで突如アンデット化、その場に居た警官がワルサーP99で応戦、これを撃退した。

 マスコミは連日この事件を取り上げていた。『蘇る死体! 謎の連続殺人事件』などと面白勝手に記事を乗せていた。市民は不安に脅えていた。警察は魔弾を全警官及び刑事に配布、その理由として検死に立ち会った魔術師がレッドボールから魔力の痕跡を感知したという報告があったためだった。


 第七分署、シティーでおきたレッドボールマーダーケースの最前線とも言える警察署である。そこのオフィスでケヴィンとボニーはパイプ椅子に座って緑茶を飲んでいる。

「ボニーのオヤジ……共通点がレッドボール以外にあると思いますか?」

 ケヴィンは湯飲みの中の緑茶の水面で立っていた茶柱をつまんで捨てながらボニーに話す。ボニーは緑茶をすすりながら「ねえよ」と答えた。

「……糸口が見当たりませんね」

「ああ、ねえよ」

 ケヴィンはため息をつきながら窓の外を覗く。

「……ボニーのオヤジ、弾の補充を申請しておきましょう」

「ああ、俺の50AE弾も弾切れだからちょうどいい」

 二人は席を立ち、オフィスから出る。


 第七分署、銃器管理室。

「ジョー爺、弾の補充の申請に来てやったぜ」

 ボニーはジョー爺と呼んだ男に話しかける。ジョー爺と呼ばれた男は少し髪の毛が少ない頭をしていた。

「なんじゃ、ボニー坊やか。そこにある申請書に書き込んで置け。それとジョー爺じゃなくジョージじゃバカモノ」

 ジョージの文句を聞いたボニーは「うるせーよジジイ」と投げやり気味に答える。ケヴィンはボニーから受け取った申請書をサッサと万年筆で記入してジョージに渡す。

「ええっと九ミリパラベラム魔弾装填ベレッタM92F用マガジン六本じゃな」

 申請書を受け取ったジョージは背にあったロッカーから六本のマガジンを取り出し、カウンターテーブルの上に置く。それと同時にボニーは申請書をジョージに渡す。

「ふん、50AE弾装填デザートイーグル50AE用マガジン三本か? おまえさんが持ってるデザートイーグル50AEは規定違反じゃぞ?」

 ジョージの警告に対しボニーは「んなもん気にしてねえよ」と答える。

「ああ、そうかい」

 ジョージはしぶしぶロッカーからマガジンを三本取り出してカウンターテーブルに置く。ボニーは三本とも手にしてコートのポケットに入れる。

「また来るぜ」

「今度は銃器変更の申請をしなされ!」

 ボニーは後ろ手で手を振りながら銃器管理室を出る。ケヴィンは残されていた六本のマガジンを手にしてからボニーの後を追う。


「ボニーのオヤジ、どうして規定違反してまでデザートイーグル50AEを装備してるんですか?」

 ケヴィンの質問に対しボニーは「娘の仇のためだ」と答える。

「娘?」

 ボニーの答えにケヴィンは頭の上に疑問符マークを浮かべた。その時壁に取り付けられていたスピーカーから声が響き渡る。

『第三埠頭にて死体を発見。担当の署員は直ちに現場に急行せよ!』

「また新しいガイシャが出たみたいだ。行くぞケヴィン!」

「ああ!」

 ケヴィンとボニーは車庫に向かって走り出す。


 第七分署、車庫。

「クリストファー! 車の準備は出来てるか?」

 ケヴィンはクリストファーと呼んだ男に向かって叫ぶ。

「おう! いつでもいけるぜ!」

 クリストファーと呼ばれた男はケヴィンに向かって叫び返す。

「よし、ケヴィン乗り込め!」

「あいよ!」

 ケヴィンとボニーはパトカーに乗り込みシートベルトを締める。

「エンジン掛けろ!」

「はい!」

 ケヴィンはキーを回し、エンジンを掛けて、ペダルを深く踏み込む。空に浮かぶ月は神々しく照らしている、醜い世界を神々しく……。

【あとがき|ヘタクソケース】

銃器で撃つのが好きです。FPSを遊ぶのが好きです。

ミステリーを書くのは初めてです。

魔法に、銃器に、魔術師に、アンデットに、連続殺人事件に、自己満足の中二病小説となってしまったぜコンチキショー。

第二話……俺はきちんと書けるのか?

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