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作者: 沙羅双樹

投稿者にも、この詩については何もいえません。

読んだ方の感じたそのままが、この詩の意味だと。

ただ、それだけ言わせていただきます

仰ぎ見る世界は、足元から瓦解していく


降り注ぐ世界の残骸に、人々は押しつぶされる


一人ひとりは助けを求めるが、俺は何も出来ない


何もしない


ただ、傍観


傍観 傍観 傍観 傍観


俺の上にも、世界は当然降ってくる


だが、俺に世界は直撃しなかった


すりぬけてしまったのだ


人々が苦しむ中で、俺一人が悠然と立っていた


何故だ


何故人々に何も出来ぬ俺が


助けを求める声に反応できぬ俺が


何故立っているのだ


見ろ


瓦礫の下から、女性を救おうとしている男性が居るではないか


見ろ


その男性も、降り注ぐ瓦礫に押しつぶされたではないか


何故だ


俺の様な傍観者よりも、あの男性を立たせればよいものを


何故俺が此処に立つ


ああ、火の手が迫る


世界の瓦礫に次々と引火し、龍のようなうねりを見せる


その赤き炎の龍は、這い蹲る人々を飲み込んでいく


身を揺らし、世界を溶かし、人々を焦がし、火の粉を撒き散らす


これが裁きというものか?


この世界の瓦解が?


否というのならば、答えを示せ


……なんだ?この音は?


鉄がぶつかり合う音か?


悲鳴……否、断末魔といった方が適当か


これは……人間の戦争か?


こちらは、石器時代?


こちらはカンブリア紀?


こちらはジュラ紀?


なんだこれは


世界の走馬灯とでもいうつもりか?


俺の四方を別の世界が取り囲む


それぞれに表示される物は違えど、俺が学んだものであった


つまり、世界の過去であった


その中の、一つの異質な世界


……この景色は知りえないぞ?


人間、高い山、自然……


しかし、人工物も確かにあった


ただし、それは山の中腹からひょっこりと頭を出したかのような


不思議な造形だった


現在とも言いがたい


未来とも言いがたい


過去とも言いがたい


世界の再構築とでも言うつもりか?


人間が消費した世界を生産したつもりか?


周りの瓦礫も、人も、炎も、全て確かに消え去っていた


先の世界は、本当に消滅したのか……


これが、真なる裁きか?


自らの死、そして生にも気づかぬ、愚かな民をあざ笑えと?


俺は死にも、生きも出来ないと?


否、これは、俺の世界観か


世界が壊れたと感じたのは、俺が壊れたからなのか?


成程な……神に問いかけても無反応なのも頷ける


神自身が問いかけていたわけか


なら、この景色は何だ?幻想か


それも、是……か

以上となります

お目通し、有難うございました

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