壱の巻〜『戦国の終わり。』
どうもどうも!!私、生まれて初めて小説というものを書いてみました。
読みにくい点もあると思いますが、最後まで読んで頂けたら幸いです。
なお、今後の自分の励みとなりますので、感想や評価を是非とも、お願い致します。
今回の小説は歴史小説としておりますが、設定した時代が昔というだけです。
登場人物などは、すべて創作なので歴史小説は嫌いだという方も一度読んでみて頂けると嬉しいです。
約百五十年続いた戦国時代。
侍や若者は『立身出世』『一国一城の主』を夢見て、戦に赴いた。
一体、どれだけの人間が、夢を散らしていったのだろう。
戦国の最後の大戦と言われた大阪の役から既に十年。
群雄が各地に割拠していた頃など今となっては、古い話である。
時代の変わり目という時には、時代の変化に対応して生きていくものもあれば、時代に取り残されたままの人間もいるものである。
現に、各地に浪人達は仕官先を求め溢れていた。
しかし、戦のなくなった今、彼らを受け入れる大名家なぞ、すぐには見つかるものではない。
浪人達は、武者修業と称し諸国を放浪しながら、武士として生きる為のすべを求めていた。
一方で、民衆達は戦が無くなった平穏な世界の到来にどこか、安堵していたが流浪する得体の知れない浪人達を警戒していた。
それは、戦国の時代、武士の意地や面目の戦といっても、民衆にも戦火が及んだ記憶が根付いているのだろう。
そんな民衆が、戦国時代一番の犠牲者だったのかもしれない。
ここは江戸へと続く、とある街道の小さな宿場町。
今年は七月の半ばだというのに、まだ梅雨の雨が降っている。
日もすっかりと落ち、街には人は疎らである。
軒を連ねる店の明かりが、街道を明るく照らしていた。
その中の居酒屋で、浪人と思われる大男が、徳利を転がしながらすっかり酔っている。
髪を無理矢理に束ねたような乱れた頭に、所々ほつれた着物、伸びた口髭は左右に錨のように上に向いている。 周りの客は、関わりにならないようにしながらも、時々見ては、顔を背けていた。 この大男も戦国の世の中に、取り残された一人である。