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戦記 短編

知られざる特攻隊

作者: 橘花

エルベ特別攻撃隊


それは、第二次大戦にて行われた独逸空軍式の震天制空隊である。自らをミサイルにし、独逸本土上空に飛来する爆撃機に対して自らは機銃を放ちながら敵機に体当たりを行うと言う物だった。



1945年4月7日


この日、空軍基地から数機のBf109戦闘機は飛び立った。そして、飛行している最中、軍歌流れる国民放送の中に突然、女性の声が入ってきた。


「若き独逸空軍兵士達よ。祖国の守りは貴方達に掛かっています。必ずやアメリカ軍を仕留めるのです。」


飛行するBf109戦闘機に突然入ってきた無線。


「全機へ、絶対に敵機に体当たりを行うのだ。連中に祖国の空を踏み躙らせるな!。」


隊長機からの無線を受け、全員が覚悟を決める。Bf109はこの作戦の為に軽量化され、速度性能を高められている。そして、この日独逸西部にアメリカ軍第8航空軍のリベレーター爆撃機が現れ、中央部の工業地帯目指して進撃していた。


雲の中に入った戦闘機隊は、一機だけ編隊を離脱してしまう。まだ、殆ど編隊飛行訓練を受けていないサミュエル・レーナッド少尉は腕も未熟で、味方とは明後日の方向へと行ってしまった。


「おっかしいな。」


レーナッドは愛機を旋回させて味方の編隊を探した。しかし、味方は既に遠く離れてしまい、見つけることは出来なかった。


「仕方が無い、このまま行くか。」


レーナッドは捜索を諦めて、敵機の捕捉を目指して飛行する。


「あれか。」


見えてきたのは密集した編隊を組むB-24「リベレーター」爆撃機の編隊であった。


「あれに突っ込むか。」


レーナッドはそう決め、愛機を急降下させる。


「敵機接近!。」


リベレーターの機銃手は銃撃を開始する。しかし、たった1機の高速で接近する戦闘機に爆撃機の防御機銃は殆ど効果が無い。しかし、レーナッドの機体は目標を逸れてしまい、リベレーターの編隊の中に迷い込んでしまった。


「しまった!。」


しかし、爆撃機も機銃を撃てない。撃てば、敵機に当たるかもしれないが、殆どは味方の爆撃機に当たってしまうからだ。いくら防弾装備されている爆撃機でも貫通すれば味方が遣られる。その為、編隊の中に迷い込んだ戦闘機に対して如何する事もできないのだ。


「畜生。」


レーナッドは愛機を右へ左へと旋回させながら、編隊の間を縫っていく。そして、


「あの編隊の先頭機をやるか。」


レーナッドは一旦機銃に狙われることを気にせずに編隊から離脱し、グルリと円をかいて戻っていった。


「た、大佐!。敵機が突っ込んできます。」


「な、何だと!!。」


向ってくる戦闘機を見て、編隊を指揮するロナード大佐は驚く。


「か、回避しろ!。」


急いで回避しようとするが、鈍足な爆撃機が操縦桿を操作したところですぐに反応するわけではない。


「総統閣下、バンザーイ!!。」


ズッガーン!。Bf109は先頭を行く隊長機の操縦席後部に体当たり。操縦席は機体から引き千切られ、落下していく。隣のリベレーターにも体当たりした戦闘機が回転しながら機体上部に命中。大きな穴が開いて飛行する。


「やった!」


体当たりに成功し、レーナッドの機体は回転しながら落下する。


「脱出しないと。」


慌ててパラシュートを掴み、機体の操縦席から脱出した。リベレーターの隊長機は2300㎏のBf109に激突され、アルミの装甲は紙の様に切り裂かれて搭乗員は全員戦死。巻き添えを喰った爆撃機は何とか帰還に成功している。レーナッドはパラシュートで脱出に成功して無事だった。


以後、エルベ特別攻撃隊は解散された。しかし、別の作戦「オーデル川作戦」が発動された。

殆ど資料が残されていなかったのであまり良い物に仕上がりませんでした。すみません。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「」の最後に句点(。←コレ)を入れるのは、文書作法上間違いです。 (昔の文豪はやっていましたが、近代は却って読みにくい、という理由からタブー視されています) また同様に、!(感嘆符)…
2012/06/27 11:05 退会済み
管理
[一言] 全国1700万人の非正規労働者たちは、最後の特攻隊かもしれん……。
2011/03/30 15:16 退会済み
管理
[良い点]  エルベ特攻隊と言う着眼点。 [一言] エルベ特攻隊は結局1回だけの出撃に終わり、戦果はたったの8機撃墜だったそうです。対してこの日の出撃で失われた独戦闘機100機以上に上るそうです。 …
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