#0少女雨模様
この世界には「星」という能力を持った者がいる。その者たちは自らの力に溺れ、力を振るい、犯罪を犯す。そんな能力者に警察という一般人が挑むというのはあまりにも愚かだ。だから警察の中に「政府公認能力警察部隊」という「星」が使える犯罪者を取り締まる組織が誕生した。この組織は通称「Milky」と名付けられている。
また、この組織の中に「Spica」という組織が設けられている。一人の「Milky」所属者の下に身寄りのない「星」を扱える者たちが暮らしており、「Milky」のように犯罪者を取り締まる。取り締まる、というよりも捕まえる、というのが正しいのかもしれない。
私は、そんな「Spica」に所属し暮らしている。
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暗い真夜中、雨の中一人の青髪の少女が傘も差さず寂れた街を歩いていた。少女は住む場所とお金を求めている。ツインテールに結んだ髪から水を滴らせ、少女はゆっくりと街を進んでいく。
ふと、少女の間の前に比較的新しくてきれいなポスターが店の壁に貼ってあるのに気づいた。そこには大きな文字で「求人」と書かれている。
少女はポスターに駆け寄り内容を読み始める。普通の求人ではなくどうやら犯罪めいた内容のようだが衣食住がしっかりと提供されるようだ。募集対象は10歳以上とのこと。とにかく仕事が欲しい少女はこれを逃すまいと公衆電話を探すことにした。探すために振り返ると一人の女性が少女の後ろに立っていた。黒い傘を差している大人の女性。巫女服のような和服を着ている。
「まさかお嬢ちゃん、そこに応募するんじゃないだろうね?」
「…するつもりですけど」
少女がそう答えると女性は少し少女を見つめた後、持っていた鞄の中から一枚のチラシをとりだし少女に見せた。ある組織の概要のようだった。
「あんたの後ろにあるポスターに書いてあることより、もっといい条件で雇えるよ。もちろん衣食住は提供するし学校だって通える。どうだい?」
チラシには女性の言うような内容が書かれていた。どうやらこの組織は身寄りのないものたちがシェアハウスをし、共に仕事をするらしい。警察の組織のようだが…。
「…妹も入っていいですか。」
「星を持つなら入っていいよ。」
星、確か能力のこと。少女も彼女の妹も持っている。
「こっちにしとくかい?こっちにするなら案内するよ、わっちに着いてきな。」
女性はそう言うとくるりと振り返り歩いて行く。少女はその後ろを着いてきている。組織の名前は「Spica」、「Milky」という組織の下に創られた、とそう書いてあった。もう何人か「Spica」に加入してるらしくコードネームだけが載っていた。
「すみません、あなたの名前は…?」
女性が立ち止まり口を開く。
「夢種 霧果、だよ。『Milky』に所属するお姉さんさ。」
暗い赤髪に紫の目をした女性が優しく微笑んだ。




