表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/20

「神に抗う者たち」

エルフの森から数日後――

ユウト一行は、聖女セラの招待により《神聖帝国》を訪れていた。


だが、その空気はどこか不自然だった。

街の人々は表面上は笑っているものの、誰もが目を逸らしていた。


「この国……表は綺麗だけど、裏に何かあるな」


そうつぶやくユウトに、リリィは同意する。


「“神に従う”ことがすべての基準。逆らえば……“異端”として処刑されるのよ」



---


白銀の聖堂。

ユウトたちは、ついにセラ本人と対面する。


「……また会えましたね。“創造の者”ユウト様」


セラは神々しい白いドレスを身にまとい、清楚で穏やかな笑みを浮かべていた。

しかし、その目はどこか翳っている。


「急ぎ話を伺いたい。災厄の王、そして……あなたが“何を知っているか”を」


セラは、しばらく黙っていた。


「あなたにすべてを伝えるには、試練を受けていただく必要があります」


「試練?」


「この国には、“神と契約した者”しか知らぬ場所があります。

 そこに触れれば……この世界の“真理”に近づけるかもしれません」



---


その夜、ユウトは城の裏庭で“処刑場跡”に迷い込む。

そこには、異端者として処刑された人々の名が刻まれた石碑が並んでいた。


「神に逆らっただけで、命を奪うのか……」


その時、背後から声がした。


「彼らは、“抗った”んです。神にではなく、“この世界の嘘”に」


 現れたのは、フードを被った青年――名を《カイル》。


「お前……何者だ?」


「俺はかつて、神聖帝国の騎士でした。だが、聖女セラに拾われて“真実”を知った」


「真実……?」


「この世界の“神”は、完全ではない。

 むしろ、人の可能性を恐れ、“創造”という異物を封じようとしている」


「……!」


「セラ様は、“神の道具”なんかじゃない。

 神を超える者を、この世界に立たせるため……あなたを、試そうとしている」



---



その夜、ユウトはセラと再び二人きりで会う。

そして彼女は、ついに仮面を外すように、静かに語り出した。


「私が聖女に選ばれた時、神の声が聞こえました。

 “創造の力は、世界を歪める。それを滅ぼすため、災厄の王を目覚めさせる”と」


「じゃあ……“あいつ”を目覚めさせたのは神……?」


「はい。でも私は、受け入れられませんでした。

 この世界を守るはずの存在が、何故壊そうとするのか」


彼女は言う。


「だから私は、あなたに賭けます。

 創造の力で、世界を塗り替えてください。

 私たちが、神に従わずとも未来を選べるように」


その言葉に、ユウトの胸が熱くなる。


「セラ……」


「あなたが“創造”の担い手であるなら、

 私も、“希望”としてあなたに従います」



その瞬間、空間に声が響く。


《セラ。汝は義務を忘れたか》


《創造を認めれば、契約は破られる。秩序は崩壊する》


それは神の声――


しかし、セラは震えながらも言い返した。


「私たちの未来は、あなたの“予言”じゃない。

 人の意志で選び、進むべきものです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ