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「俺、チートで異世界転生しました」

目が覚めたら、見知らぬ草原に寝転がっていた。


 正確には、草原というより大自然のど真ん中。どこまでも続く緑、青すぎる空、そして頭上を飛び交うドラゴンの群れ。


「……おいおい、冗談だろ?」


 俺の名前は篠原ユウト、16歳のごく普通の高校生――だった。電車に轢かれそうな子供を助けようとして気絶し、気づけばここだ。


 記憶ははっきりしている。あの瞬間、時間が止まったようになって、白いローブを着た神様みたいな奴が言っていた。


> 『お前は選ばれし者だ。異世界の救世主となり、運命を変えろ』




 はあ、マジでテンプレだな。


 でも、冗談で済ませられないのが、今の俺がとんでもない力を持っているという事実だ。


 右手をかざす。


「《創造:魔剣レヴァンティア》」


 空間が裂け、真っ黒な大剣が現れる。刃は漆黒、重力すら歪ませるほどの存在感。明らかにチート。


 そう、俺はスキル【万能創造】を授かっていた。思いついたものは、魔法でも武器でも具現化できる。しかも使用制限なし。


「……いや、これ絶対バランス崩壊だろ」


 そうぼやいていると、茂みの奥からバサッと音がして、何かが飛び出してきた。


「くっ……ここで倒れるわけにはいかないっ……!」


 草むらから転がり出てきたのは――


 金髪のエルフの少女だった。


 顔立ちは人間離れして整っていて、翠緑の瞳が透き通るように美しい。露出多めの軽装で、体には傷がいくつもついている。


「だ、誰だお前!? 魔族か!? それとも……人間の傭兵……?」


「あ、いや。俺、観光に来ただけで……」


「戦場で観光!?」


 混乱するエルフ少女に説明する間もなく、後方の森から追いかけてきたのは、巨大なオーガだった。肌は灰色、腕は俺の身長より太い。


 あ、これ詰んだわ。


 ――そう思ったその瞬間だった。


「《創造:対魔重砲“デウス・エクス”》」


 地響きと共に、俺の背後に巨大な砲台が出現した。全長8メートル、魔力圧縮型の対魔族兵器。もちろん今、俺が勝手に考えたやつだ。


 ターゲット:オーガ。


 発射。


 ――ボン。


 オーガが消し飛んだ。


 その衝撃で草原がえぐれ、風が巻き起こる。


 俺の隣で、エルフの少女がぽかんと口を開けていた。


「……な、なんなのあなた……?」


「ん? 俺? ただの通りすがりのチート高校生だよ」


 少女は膝をつき、そして深く頭を下げた。


「お願いです。私を……あなたのものにしてください!」


「は???????」


 ――こうして、俺の異世界無双&なぜかモテ期到来の人生が始まったのであった。---

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