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26.なんかこうしてるとデートみたいだな・パート2

「なんかこうしてるとデートみたいだな」


「・・・男同士でデートとか、反フェミニストの団長らしくない発言だな、というかオレとデートして楽しいのか?」


 モモに言うノリで冗談を言ったらマジレスが返ってきたので、俺は少しオラついた態度でマジレスし返した。


「別に楽しい必要とか無くないか、お前会話に意味を求めるタイプか?、意味の無いを発言したら相手に幻滅して、「意味の無い会話してて面白い?」って言っちゃうタイプか?、そういうの友達作れなくなるからやめた方がいいぞ」


 むしろ俺のマジレスの方が対象の好感度を爆下げしそうな発言だが、こんな発言も、既に耐性を付けてる俺の団員からすれば慣れたものだろう。

 と思いつつも、言われたノワは少し面食らったように狼狽していた。

 どうやら会話頻度の高いモモやレインほどには俺のノンデリのマジレスに耐性は無かったようである。


「・・・いや、まぁ、そうだけど、でもこんなの普通に武器屋回ってるだけだし、全然デートじゃないし、オレはあんまり喋らないし、それで、オレと一緒にいて楽しいのかなって・・・」


 多分ノワは自分とは全く関係の無い俺の魔剣探しに付き合わされて辟易としているのだろうと、俺はモモに付き合わされてスイーツ巡りをしていた経験からそう思い、ノワを(たしな)める目的で言ってやった。


「男の子は普通に武器屋巡ってるだけで楽しいもんだし、それに一人で巡るより付き添ってくれる誰かがいた方が楽しいもんなの、やっぱお前キリトに擬態してても根っこは女子だな、男なら装備のカスタマイズで1時間使ったり連れションしたりとか普通だからな、キリトに擬態するならこの辺の感覚を掴んどけ、俺の事はクラインだと思ってくれていいから」


 こう言えばキリトに擬態する修行としての意義を感じて、俺の買い物に付き合わされる事にも多少は妥協するだろうとそう言うと。


「団長はSAOには悪役で出てきそうな雰囲気だけどなぁ・・・」


 なんて、思わぬ方向で俺は口撃された。

 でもSAOの話なら弾むと思ってそれにオーバーリアクションで応える。


「どこがだよ、俺は普通にかっこいい、エイジとかユージオみたいな無難なイケメンキャラだろうが」


「キャラはそうだけど中身がなぁ・・・、いや、別に団長の中身を悪く言うつもりは無いんだけど、でも、普通のイケメンキャラは女の子泣かせたりする事を平気で言ったりしないから」


 女の子を泣かせる、10階層でのモモとのやり取りの話だと思うが、確かに普通のイケメンキャラなら絶対言わないような事を俺は言っていたし、人情派路線は俺には無理があったかもしれない。


「・・・じゃあ俺がSAOのキャラで例えたら誰になるんだよ?、須郷か?ジョニーブラックか?、流石にアスナ兄みたいな半モブみたいなキャラ言われても困りものだが、まぁ少しは似てるかもな」


「地味に自己評価高いのがウケる・・・、団長は、SAOなら、そうだな・・・、ライオ、こほん、・・・・・・・・・・・・新川くん、いや、百歩譲ってレコン、かな・・・?」


 ノワは散々迷った挙句に、あんまし活躍の無い微妙な脇役の名前を挙げた。


「今ライオスって言いかけただろ、確かに俺は女に厳しいかもしれねぇが、あんな性欲丸出しで顔芸するほどイカれてないぞ、しかも百歩譲ってレコンって、俺の事どんだけ小物だと思ってるんだよ、お前さては俺の事一ミリもリスペクトしてないだろ」


 ライオス、SAOにおける屈指の大事件を犯した、フェミニストが発狂するような大罪人で、多分死んだ事に誰も同情しないくらい清々しいまでの悪役だが、つまり俺の事もそこまでの外道だと思われているという訳か。

 俺がそう言うとノワは笑いを堪えるように悪戯っぽく反論した。

 細かい仕草に少女感のようなものが滲んでて、冗談で言ったデートの文言も、少しずつ現実味を帯びてきたような雰囲気だったが、見た目はキリトなのでそんな甘酸っぱい高鳴りを理性で拭いとる。


「そんな事無いって、くく、レコンはさぁ、弱いのにリーファ助ける為にペナルティ数倍の自爆魔法使って特攻してたしっ、くくっそういうとこ、なんか団長っぽいなって思ったんだよ、くく・・・」


 ノワはそう言うと自分で言ってツボに入ったのか、必死で堪えつつも、お腹を抱えて無礼の極みな含み笑いを続ける。

 見た目がキリトなのにそういう仕草を可愛いと思ったのは不可抗力なのか分からないが、まぁクラインもキリトの事をかわいいと言ってたしな、キリトはかわいいで否定するものでも無いか。


「ノワ、笑いたかったら好きなだけ笑っていいぞ、遠慮する事は無い、その代わり・・・後で一発殴らせろ」


 そう言って俺は「リーファちゃんは僕が守る!!」って叫びながらノワの胸に軽く体当たりするする。

 この世界の中ではイメージで声をある程度変えられるので、今のもそこそこのモノマネ精度になっていた。

 それでノワは耐えきれなくなったのか、声を出して笑い始めた。


「くく、あははははははははははは、団長、それ反則過ぎる、あはははははははははははははは」


 街中で突如として笑いだしたノワは周囲の注目を引いたが、俺はどうせならノワを笑い死にさせてやろうと、「無いよォ剣無いよォ!」「アサダサンアサダサンアサダサン…」「なんでや!、なんでディアベルはんを見殺しにしたんや!」と、SAOの有名な名言をモノマネしまくっていたら、ノワはその度に爆笑してくれて、それが嬉しくて、俺は得意な工藤新○やルパン、トゲピ○やコ○トックなんかのモノマネでノワを楽しませたのであった。


 なんというか、会話に意味なんて要らない事を示したかった筈なのに、こんな無意味なモノマネで相手を楽しませようとしているのもいかにも俺らしい欺瞞だなと思いつつ、俺は楽しそうに笑うノワを見て、不覚で不本意にも心を弾ませていたのであった。

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