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23.天下の華

 あれから三日三晩、ノワは一心不乱、無我夢中、一意専心に鉄を打ち続けていた。


 何がそんなに楽しいのか、なんでそこまで出来るのか、俺には分からなかったけど、【寝不足】【不摂生】のバッドステータスがついてもなお、構わずに金槌を振り続ける様を見た俺は止める気にもならず、仕方なしにノワの気が済むまでモモとレインと交代で見張りをしつつ、見守っていた。


 ・・・いや、だって仕方ないだろう、こんなカンカンうるさい場所でいつでも構わずに寝られる訳もない。

 それにちゃんと宿で寝ないと【寝不足】【不摂生】などのバットステータスが付与される不親切設計のデスゲームなのだから、そこでいらない無理をして死亡リスクを高めるなんて現代っ子の俺には似合わない根性論なのだから。


 付き合わされたモモとレインからは小言を言われたが、ここに拘束されてる時間は俺が一日16時間、モモとレインが8時間なので、それで文句言われるのもやるせない話だ。


 ・・・そんなこんなでノワは三日三晩、鬼気迫るような、何かに取り憑かれたような調子で刀を叩き続けていたのである。





 そして遂に──────────





「ん、おお!!、すごい、刀がまるで宝石のように輝いている、やったな!、これで名刀の完成って事か」


「ああ・・・やっと・・・、終わった・・・、これでこいつは、失敗作なんかじゃ、ない・・・」


 ノワはそう言い残して気絶する。


 気力だけで三日三晩も作業に没頭できたのだとしたらとてつもない執念だが、そこまでして名刀を打ち直したい理由でもあったのだろうか。


 そして俺は打ち上がった刀のステータスを表示させて確認した。


 『天華』


 攻撃力100 重さ444 耐久性A++ 切れ味A++

 スキル【黒龍の加護・陰】

 効果 【黒龍の加護・陽】と同時に発動する事で、使用者の筋力、攻撃力、切れ味、防御力、状態異常耐性の値がそれぞれ50上がる。

 【黒龍の渇欲】

 効果 攻撃した対象のMPを奪い、この武器にストックする、ストックされたMPは耐久性切れ味の強化に使用され、使用者のMPとは独立する。

 最大チャージする事で【黒龍の波動】を自動で発動し、周囲の対象に【機動力低下】【恐慌】【金縛り】状態を付与する。




「強いな・・・これなら一億でも納得の性能だが、いきなり性能が二回りインフレしたような印象だ」


 重さ444はかなりのデメリットだが、それを補って余りあるようなチート効果が付いているし、武器が黒基調なのもノワにぴったりだ。


 市販で買える2000万の魔剣の三倍くらいの性能はしている訳だし、今後も武器のインフレが進んでいくにしても、この武器ならば40階層くらいまでは余裕で戦えそうな性能をしている。


 まぁ一億払って50階層以上にしか棲息しないドラゴンの竜玉を使用している訳だから、それくらいの性能はしていて当然か。


 俺は刀は重すぎて装備出来ないのでストレージにしまうと、気絶したノワを背負って宿に帰宅したのであった。

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