4.パーティー結成
翌日、俺とノワは早速変装してペインキラーの内部へと潜入した。
ペインキラーは来るもの拒まず、ノルマ無しボス戦参加自由の超ホワイトギルドなので、特に潜入する事への障害も無く。
その日に前線でモンスター狩りの金策したい人間が、ギルドの拠点に自由に集まってパーティーを組むという、そんな緩い雰囲気のギルドだった。
故に俺たちはペインキラーの本部に行きそこで新入隊員として適当な人間と取り敢えずパーティーを組んてみる事にしたのである。
「へぇ、意外と人は多いんだな、300人近くはいる換算か、ホワイトギルドになっでもブラックだった頃の癖が抜けてないって事かな」
そんな風に評しながら、俺は広場に集まったひとごみを観察し、どこのパーティーに混ぜてもらうかを物色する。
ある程度は決まったグループみたいなのが出来ているようであり、隊長格の人間とその取り巻きで一定のグループが作られているが、俺たちみたいなあぶれ者も数人いて、そういう人間たちをオルトや隊長たちが仕切って他のグループに斡旋していた。
そんな中で一人、特に目立った動きをしている男がいた。
「お、そこの姉ちゃん、俺のグループに入らねぇか?、俺は独立愚連隊隊長のカントンだ、俺のグループに入って損はさせねぇぜ?」
「すみません、私はあっちのパーティーに入ろうと思うので」
「そうかい・・・あっ、そこの姉ちゃん!…」
と、カントンもどうやらギルドの再編で隊長格に昇格したようだが、人望不足によりパーティーメンバーがいないのか、そんな風に希少な女性プレイヤーに声をかけては断られるというやり取りを繰り返していたのであった。
「・・・ふむ、自分で声をかけてパーティーを作るという手もある訳か、一応ここはまったりギルドな訳だし、縦社会でも無い訳だしな」
他のパーティーに入ると自由行動をしにくいし潜入に不利だろう、そう思って俺は初心者っぽい少年アバターの子供に声をかける事にした。
「えーと、初めまして、もしかして君も、パーティー組むのは始めてかな?」
勤めて丁寧に礼儀正しく、そんな態度で話しかけると少年も礼儀正しく返答した。
「あ、はい、僕、前線に来るの初めてで、それでどうすればいいか分からなくて・・・」
「じゃあ俺たちと組む?、俺もこのギルドに入るのは初めてで、まだあまり慣れてないし、そういう面では危険な事はするつもりは無いから安全だと思うよ」
俺がそう言うと誘われて嬉しかったのか少年は顔を綻ばせて頷いた。
「いいんですか!、よろしくお願いします!、僕の名はゼンイツと言います!」
「じゃあパーティー申請送るね、俺の名はキリヲで、こっちはノワ、よろしくね」
そう言って俺たちは友好的に握手を交わして、俺は他にもう一人いたおとなしそうな男に声をかけて、4人パーティーを組んだのであった。




