1.天才は何をしても許される
「おい、ニコフ!、どういうつもりだ貴様!、気でも狂ったか!!」
光の届かない密室で男達はそんなやり取りを交わしていた。
「狂う?、僕は正気さァ、最初から君を殺すつもりで、ここに誘い込んだんだならなァ」
そう言ってニコフと呼ばれた男はナイフをぺろぺろしながら転ばされて動けないでいる男に詰め寄った。
「ひ、ひぃぃ!!、この人殺し!!、こんな事、許されると思っているのか!!」
「許す?、誰が僕を裁くというんだい?、ここで行われる事は全て、〝完全犯罪〟だというのにねェ」
そう言ってニコフは男の首筋にナイフをあてがう。
男は恐怖で失禁し、必死に命乞いをした。
「頼む!!、助けてくれ!!、俺たち友達だったよな!!、親友だったよな!!、それなのに何で、なんで、俺を殺そうとするんだよ!!」
涙を流しながら命乞いする男に、ニコフは嘲笑うように答えた。
「友達?、最初から疑われないように仲良くなっただけさァ、そうすれば仮に君が行方不明になっても、誰も僕を疑ったりはしないんだからねェ、じっくり楽しませてもらうから、楽しませてくれよォ」
「う、うわああああああああああああああああああああああああああ!!」
男の悲鳴が光の届かない密室に反響する。
そこは心霊スポットとして有名な廃坑の放棄された休憩室であり、仮に警察や探検家でも、あまり立ち寄らない場所だった。
この場所に男を深夜に呼び出した時点でニコフの完全犯罪は成立していたのである。
「・・・あーあ、もう壊れちゃったさァ、人間で遊ぶのはつまらないなァ、もっと楽しい遊びはないかなァ」
そしてニコフは出会ったのだ。
最悪のデスゲーム、DDOに──────────。




