24.夢は終わらないし続かせない
トンネルから出た俺は、レインとノワから一発ずつ殴られた。
「はぁ、モモくんが優秀だったから嘘を見抜けたけど、あの嘘はひどいなぁ、自分も相手も、全員傷つける最低の嘘だ、嘘ならもっと、人に優しくないとダメだろう」
「・・・団長は人の心が無い、女の子にはもっと優しくするべき、だ」
「・・・分かったよ、何にしても取り敢えずようやく11階層に到達か、ひと月で10階なら、完全攻略には1年かかるのかなぁ」
1年後、俺は高校1年生という時間を失い、17歳になっている訳だが、果たして社会復帰が出来るのか不安だ。
そういうリアルから切り離されたという不安が無くなった時、俺は何者になっているのだろうか。
「まぁこれからノウハウや練度も蓄積されていくだろうし、上に上がってくるプレイヤーも増えてくるだろうしね、そうなれば競走するみたいに攻略も進むだろうさ」
「・・・私は、皆となら、もっと長くいたい気もしますけど、そうはいかないですもんね」
「オレも、リアルよりこっちの方が充実してて楽しいけど、でもいつかは終わりが来る、それは仕方ない」
「終わりの無いゲームなら、そもそも誰も攻略なんてしないからね、だからボクらは、終わりが来るまでを楽しむしか無いんだ」
「終わり、か・・・」
モモの言うように、俺は漠然と、この時間がずっと続けばいいのにという青春のきらめきのような物を感じていたが、俺達の冒険にも、必ず終わりはやって来るのだ。
だから仮に俺が今使っている時間がかけがえのない青春のひとときなのだとしても、俺はこの時間を後悔しないように使おうと、あらためて思った。
だからその結末がハッピーエンドになればいいと、そんな甘い結末を漠然と想像し、俺はそれを目指して頑張ろうと思ったのである。
───────しかしこの物語は、仕方なしに()全員殺す事にするまでを描いた、クライムノベルなのであった。
今後の展開に乞うご期待。
オチは一章でやりたかった内容だったのですが
人物紹介や世界観の描写や関係性の構築に尺を使ったら収まり切らなかったので設定は二章にスライドしました
なので実はテンペの存在が裏切りの殺人鬼だったのを、一章は無理やりこじつけました
三章はノワ、四章はレインにスポットを当てつつ物語を進める予定です
ここまでお付き合い頂きありがとうございます
読んだ人が楽しい気持ちになれる物語を心掛けております
どうか完結までお付き合い頂ければ幸いです
m(_ _)m




