8.連合軍潜入
俺とモモは飯を食った後に美容室と服屋で変装用のイメチェンをしてから、カントンとの約束の店を訪れた。
そこにはカントンの部下?、と思しきメンバーが5人ほどいてそれぞれ退屈そうに待機しており、そして変装した俺にカントンも当初は俺を認識出来なかったが、声をかけて気付かせた。
「お、おおっ!?、すげぇな、まるで別人みたいだ」
「ま、変装しないと後々困るかもしれないからな、有名人だとバレてると変な絡まれ方するかもしれないし、念を入れて変装して来た」
「へぇー、おっと、それじゃあ紹介するな、おい、お前らちゅうもーく!、今日から俺らの班に加入するえーと・・・」
「マリオといいます、スキルは【回復魔法】を取得してて、ヒーラー希望です、よろしくお願いします」
俺は好青年風営業スマイルで爽やかに挨拶する。
名前をマリオにしたのはキリヲだと正体バレする恐れがあるのと、マリオなら適当な偽名より言い訳がしやすいと思ったからだ。
俺に続いてモモも挨拶をした。
「えっと、ピーチです、スキルは【強化魔法】を取っていて、バフ役、及び壁役が出来ます、不束者ですがよろしくお願いします」
ぺこりと、未成年にしては中々礼儀正しい態度でモモは挨拶を終えるが、カントンの部下たちは興味無さげな様子で反応は無かった。
それにカントンは腹を立てた様子で怒鳴りつける。
「おいお前ら、新入りに対してその態度は無いだろうが!!、ったく、クソガキが、それじゃあケン、お前から順に挨拶しろ」
そう言ってカントンは10人がけのテーブルの端に座っている男から挨拶を促したが。
「どうも、ケンっス、よろしくッス」
「ダニーでーす」
「グレイだ」
「・・・ョコラ」
「アロマ」
と、かなり淡白な態度であり、どうやらあまり歓迎はされてないようだった。
「おい、しろてゃとピノファはどうしたんだよ!!」
どうやら二人欠席しているらしいが、それに答える者はいなかった。
これが、連合軍二番隊副隊長であるカントンの隊の結束力、という訳である。
「・・・クソっ、あのクソガキどもめ、大人を舐めやがってからに・・・!!」
カントンはメールで即座に呼び出そうとしているが、舐められてる時点で呼び出しに応じる訳も無いので、俺はカントンに話を進めるように促した。
「まぁ紹介は明日でもいいからさ、取り敢えず任務説明だけでもしてさっさと解散するのがいいんじゃないか?、今日もノルマ?、とかしてたんだろう、それで皆疲れてるだろうし、だからそれについての説明も頼む」
俺がそう言うとカントンはコンソールを解除して説明してくれた。
「・・・分かった、今俺たちがやってるのはこの階層のクエストの攻略だ、1階層では100万貯める事が重要クエストの鍵とされていてそれに従事していた訳だが、この階層ではどうやら修道院で〝信者ランク〟を上げる事が重要になると言われていて、俺たちの隊はそこの任務に従事している訳だ」
「・・・信者ランク?、って何だ?」
「修道院で色々な作業を手伝ったり、試験を受ける事で上昇するランクだ、信者ランクを上げる事で神殿に入る事が出来て、その神殿にボス攻略のヒントがあるんじゃないかって事で、俺たち二軍は信者ランクのランク上げをやっているって訳だ」
「・・・なるほど、じゃあ今回は下準備をして慎重に攻略を進めているという訳か、確かに10階層は今までより手強そうな感じだし、慎重になるのも必然、だな」
「つっても信者ランク上げって、ゴミ拾いとか聖書の暗記とかマジ退屈だし、正直結構しんどいけどな、まぁそんな感じだから、明日からよろしく頼む」
その日はそれで解散となり、俺たちはカントンの利用している安宿に泊まったのであった。




