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23.騎士団攻略

 翌日、俺たちは昨日話し合った通りに、国王の蘇生をする為に、騎士団長達と話し合いの場を設けた。

 騎士たちと話し合いを行うのは簡単にはいかないと思われたが、これはレインがバスターを撃破した事でバスターとの会話フラグが立っていた事、そして白金騎士のランクならば騎士団長に自由にアポイントメントを取れるという事で、必要条件を満たしていた事、既にこれらの条件クリアしていたおかげでトントン拍子で話が進んだ。


 そして俺は騎士の集まる円卓の会議室にて、騎士たちに自身の持論を展開した。


「騎士様、我々【勇者】に、帝国打倒の任務を授けてくれませんか、我々はここで生活する中で、この王国に根付く不正、その根源についてを知りました、国王が殺されるべき理由も、騎士様たちが我々を閉じこめる理由も、全ては帝国の存在が原因になっている、ならば、我々【勇者】を帝国の当て馬にし、帝国を滅する事が出来れば、国王が死ぬ理由も、騎士様が帝国に従う理由も、無くなるのでは無いでしょうか」


 その発言に対して、幕僚クラスの騎士たちが驚きの声を上げるが、賛同の意見を述べるものは誰もいなかった。


 そして騎士たちの総意を代弁するように、団長であるバスターが答えた。


「帝国の打倒、それがどれだけ困難な事か君は理解していないようだな、帝国は千年この世界を支配した魔界の支配者だ、そして、その皇帝はこの世界を千年統治した、不老不死にして不滅の哲人王、いくら神界から降臨した【勇者】と言えども、皇帝は幾千幾万の英霊を食らった真の怪物、そんな皇帝を打倒するなど、例え万軍の【勇者】を束ねたとしても、勝算のある戦いでは無いだろう、そんなもの、ただの夢物語だ」


「・・・だから、帝国に逆らわないように、召喚した勇者を王国の中に閉じ込めていると、そういう事ですか」


 俺がそう言うと、バスターはほんの少しだけ申し訳無さそうな態度で答えた。


「そなたらを野に解き放てば、グランディス王国は世界の秩序を乱す大罪を犯した国として裁かれる事になるだろう、今ですら勇者達は無法に走り、無辜の民を襲っている、それを野に解き放てば、この国は世界の敵として制裁を受ける事になる、それだけは、たとえどんなに愚かな政治家でも、してはいけない事だと理解出来るだろう」


 ──────────つまり、騎士達は〝悪役〟などではなく、徹頭徹尾平和の為に行動していたという事になる。


 勇者を召喚した国王がテロリズムに傾倒(けいとう)した悪で、騎士達はただ、平和の為に行動していただけ。

 だとすれば、王女が自分達を悪と自認するのも、妥当な理由になる訳だ。


 だから王国と騎士との和解、それがそもそも水と油を混ぜるような破綻した交渉になるのは、当初から分かっていたとは言え、これで確定した訳だが。


 それにこの問題は、家畜として搾取される平和を享受するか、それに反抗して一か八かの下克上をするかという、どちらを選ぶかは個人の思想に依るところ大きく、それでいて哲学的な問題だ。


 世の中には、一日中野鳥や海岸の監視をする一生で、生涯独身でも幸せになれる人間もいるし、逆に妻子を持ってそれなりの地位を得ていても満足出来ない人間もいる。


 本当に、どちらが正しいのかを決めるのは難しいセンシティブな問題なのだ。


 仮に、上級国民が罪を犯しても罪にならず、そして下級国民は厳罰を恐れるから犯罪が存在しない、そんな平和であっても、大多数がその悪意を認知せず、善意だけで生きられるならば、それは善人の国として認められるという話なのだから。


 だから体制を維持し、現状に拘泥(こうでい)しようとする騎士を否定しようがないし、だからこそ、〝攻略〟するのは難解極まりない問題だったのだが。


 だが、そもそも理屈攻めなんて水掛け論にしかならないし、論破して納得出来るならば、この世から戦争なんて簡単に無くせるって話なのである。


 故に、結局、結論として、ここで俺達に出来る選択肢なんて、最初からひとつしか無かった、話し合いは、あくまでそのカードを有効的に切る為の、前戯のようなものなのである。


「──────────分かりました、ならば〝決闘〟で決めましょう、確か、王国の騎士の最高位、黒金(くろがね)騎士の称号を持つものならば、全ての騎士を従える権限を持てるという話ですよね、そもそも国王が正しいとか騎士が正しいとか、そういう水掛け論なんて中世ファンタジーには相応しくないでしょう、ならば結局は、〝神明裁判〟、神聖なる決闘で決めるのが、よろしいでしょう」


 こうして俺たちは重大なルート分岐を賭けた決闘をする事になったのである。

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