歩きつづけて
夕暮れ
凹凸のない堤防のアスファルト
久しぶりにつまずき転んだ
左膝を擦りながら
道端であぐらをかく
名も知らぬ花の向こう
川面に映る自分の姿に
「歳をとったな」とひとりごちる
秋の風が頬を過ぎる
思わずつくため息
頭をよぎる過ぎ去りし過去
フラッシュ・バックはいつでも
辛い記憶ばかり
僕を責め続ける
誰が悪いわけじゃない
川面の自分を慰めている
川上を見る
そこに若かりし頃の自分はいない
向こうから人の姿
早足に近づいてくる
さて
また歩きだそうか
歩けるうちに
過去に追い抜かれる前に
未来の自分をまだ
想造できるうちに