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博士「ここに三匹のバケモンがおるじゃろ??その中から好きなのを選ぶといいぞ」

作者: 黒豆100%パン



「ここに3匹のバケモンがおるじゃろ??すきなのを1匹やるぞ」



そう言いながらその博士は赤いボールが3つ並んだ台を俺に見せた。

バケットモンスター、縮めてバケモンという不思議な生物が生きていてこの世界ではそれを捕まえて戦わせる事が行われている。人はそれをバケモンマスターと呼ぶ。そしてこの少年は今、バケモンマスターになろうとしていた。母親にバケモンマスターになる!!と言うと「30にもなって働かず何言ってるの?と言われた。



「どれがいい?まずは足の臭さで敵を倒すアシクサー」



そう言い赤いボールから出たのはヘンテコな体に足の生えた生き物。足からは何かが腐ったような匂いが漂ってくる。

その生物は「アシクサー!!」と奇妙な鳴き声を発してその場で足踏みをしている。それを見て俺は何だかこいつではないなと思う。



「それかこの、エロイナー。こいつは四六時中エロい事ばかり考えているぞ!!」


そう言いボールから出たのは何だかピンク色の人型の魔物。何だか顔つきが常にいやらしいく、時々何かを思い浮かべているからかニヤニヤと不気味に笑っている。

何だか変なのばかりだ。


「そして最後は...ベロチューだ」



出てきたのは黄色いネズミのような化け物で、唇がでかい。時々ベロベロと舌を出している。これも何だか変だが他の2匹よりかはマシだろう。俺はこいつを選ぶ事にした。博士は捕獲用のボールを5こほど持たせてくれた。これから俺はバケモンマスターとしての第一歩を踏み出そうとしてるのだ!

外に出て早速近くの草むらに向かう。鳥の化け物が襲いかかってきた。そいつは茶色い体に羽の方は少し白がかっている。



「いけ!ベロチュー!!」



ボールから出して戦わせる。ベロチューはその長い舌を使って簡単に鳥を倒してしまった。俺は「よくやった!!」と感嘆の声を上げる。これが俺の第一歩だ。じゃあ早速もらったボールを使って捕まえ...。

だが次の瞬間、ベロチューがその鳥の方に行き、キスを始めた。舌を使って何度もキスをするベロチューに俺は頭が真っ白になりその手を止めてただその光景を見ているしかなかった。ベロチューはキスが終わると満足そうに俺のところに戻って来る。俺はベロチューをボールに戻して捕まえずにトボトボと歩いて行った。



「バケモン持ってるな?さあ!!バケモンバトルだ!!」



しばらく歩いていると、向こう側の方から短パンの少年は俺を見つけ、俺の方に向かってきて唐突にそんな事を言う。そして拒否する間もなくバケモンをボールから出してきた。



「いけっ!!」



そう言いながらボールから出てきたのは何だか黒い塊のようなもの。時々不気味にうごめいている。



「ベロチューいけ!」



「なんだ?その弱そうなのは!俺のやつでコテンパンにしてやるぞ!!いけ!」



そう言うとその黒い物体はノソノソとゆっくりと動く。ベロチューはお得意のキスで攻撃するがその黒い表面は硬いもので覆われているようであまり効いているようには見えない。



「ふっふっふ!どうだ!!」



「くっ...!」



「さあ、見せてやれ!お前の力を!!」



そういうとその黒いのは棘を飛ばして攻撃して来る。ベロチューはそれを避けながら近づく外側の甲羅のようなものを無理矢理こじ開けた。中からは小さなもの黒い丸っこい本体が現れる。それを見たベロチューは恐ろしげな笑みを浮かべてその本体にキスを始める。



「おい!あいつは何をやってるんだ!!」




「えっと...」



その光景にどう説明していいか分からずただ黙る事しかできなかった。しばらくすると戦闘不能になった黒い生物とその中からベロチューが出てきた。ベロチューは何やら満足そうな顔をしていた。











「なんか...思ってたのと違う」



俺が思っていたのはもっとこう、白熱した戦いだ。何というかこんなのを期待していたのではない。

そんな事を考えていると頭に花が生えた女性ようなの魔物が現れる。するとベロチューは勝手にボールから出てきてその魔物に近づこうとする。何だかとてもめつきがいやらしい。



「おい、やめろ!!」



「ぐへへ、ぐへへへへへ」



何だか聞いたことのないような鳴き声で泣いている。流石にこれは色々とモラル的にまずい。



「戻れ!戻れってば!!」



「ぐへへへへ」



「ピョー!」



その魔物は怯えるように後退りする。そしてベロチューはその魔物に襲いかかろうとしたその時だった。

何かがベロチューに体当たりをかました。それは警察の服を着た2足歩行の犬だった。その犬は3匹ほどいて、ベロチューを抑える。



「無作為にキスをしている不審者を発見!直ちに連行する!」



「暴れんな!!」



「あいつしゃべれるんだな」とか思いながらその光景を眺めていた。しばらく暴れていたベロチューはそのまま連行されてしまった。そして1人取り残された俺は空を見上げた。



「もう...なんかいいや。あんな変なのばかりだったらバケモンマスターなんてやめて、真っ当に働こう...」

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