表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

腹黒聖女は戦争がしたい

そもそも、この国に魔物が蔓延っているのもスミヨルのせいだし、彼女が悪いのよ。


聖女の力を持ってるくせに、あの汚らわしい魔物を国に入れるなんて。バカみたい。


だったら全部、スミヨルが悪い事にすればいいんじゃない?


そうよ!彼女が魔物と一緒に逃げて、この国に戦争を仕掛けているとお告げがあった、そう言えばいいのよ!


そうと決まれば早速、準備しなくちゃ。早くしないと私が聖女じゃないとバレちゃうし。


~~~~~


城の中で魔王に教えて貰った闇の魔法。使うのは初めてだけど、思ったよりは難しくなかったな。


だって、魔王って教えるのがとっても上手だもの。魔王を辞めて、教師になってもいいぐらいだし。


『どうだ?これで門の強化、出来そうか?』「任せて!飛び切り凄い魔法、掛けてあげるね。」


そう言って門に行こうとしたけど、城の中が広すぎて出口が何処か迷っちゃってる。


右に行っても左に行っても迷子だし、振り返っても城の通路は変化してるし。


どうしようと思ったら、城がぐにゃりと変形して私の前に魔法陣が現れちゃった。


『すまんな。この城は安全の為にこうなっているのでな。さぁ、その魔法陣に触れるがいい。


すぐさま門まで連れて行ってくれるだろう。』流石は魔王ね、城の壁から声が聞こえるもの。


それじゃあ早速、魔法陣に飛び乗ってひとっ飛び。あっという間に辿り着いちゃった。


さて、門にはどんな魔法を掛けようかしら?


人間に見つからない為に隠匿の魔法、万が一入って来た時に反射の魔法、それにそれに幻惑の魔法も加えて…。


~~~~~


人間は、愚かだ。聖女・スミヨルみたいな人は別だが。


見た目や能力が少し違うだけで、必要以上に我らを恐れる。挙句の果てには、殺そうとすらする。


困ったものだ。我らはただ、住処を求めているだけなのだがな。


まぁ、人間が我らを怖がる理由は分かる。血を吸う魔物、巨大な狼に変身する魔物、怖がるのも無理はない。


だからこそ我らは山に隠れて生活していたし、人里に来る時も目立たぬ様にしていたのだ。


それなのに、我らと協力した聖女・スミヨルは処刑されかけた。王国にいる魔物を、匿っていたという理由で。


彼女が仲間達と協力したからこそ、王国民は血を吸われる事もなく、狼に変身する所も見ずに済んだのだ。


だが、今やその聖女は王国一の悪女とされている。魔物と協力しそそのかして、王国に戦争を仕掛けている悪女だと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ