終了
「走れ、コモン!!」
「とにかく走るんだあああああああああああ。」
人力だった。
アニキに作戦なんて最初からなかった。
そう感じた、
日ももう傾いている。
「アニキ、初日で全部は無理だよ。」
「なぁに、俺たち二人の力を合わせればできるはずさ。」
「でも……。」
「大丈夫だ。あの高台を俺がきれいにする。お前はあっちの噴水から水をすくってきてくれ。」
「水を??」
「水をどうするんだい??」
「とにかく水を触ってろ、いいな!!」
そういうとアニキは一人、高台に上っていった。
「ふぅ、なかなか頑固な汚れだったぜ。コモン、こっちにこい!!」
梯子を上っていく。
「コモン、水には触ったか??」
「うん、まだ右手は濡れてる。これがどうしたの??」
「いいか、この街をきれいにするのはお前だ。」
「ええ、オイラがっ?!」
「そうだ、お前には万能色の個性がある。それを使うんだ。」
「無理だよ、いままでどんな魔法もできなかったんだ。」
「だから、それを今やるんだよ。」
右手はまだ濡れていた。
「さっき水に触れたろ??」
「その時の感覚を思い出すんだ、やってみろ。」
しかたなく、やってみることにした。
確かに、今まで魔法を習うときは、両手に集中していた。
今日は、右手の濡れた感覚に集中してみよう。
魔力を紡ぎだす。
体が輝き始める。
「(冷たい……。)」
その時だった。
両手から滝ほどの水が、あふれている。
魔力の制御ができず、止まらない。
そのまま、両手から水を吹き出し、おいらたちは吹き飛んだ。
山頂の頂まで。
「あれま、またあの二人かね。」
「でも、今回ばかりは街を救ってくれましたね。」
「……何の因果か、万能色の個性とはね……。」
山の上でアニキは驚いていた。
「見たか、コモン、街中の灰を、お前の魔法できれいにしたんだ。」
「やっぱり、お前はできるヤツだ!!」
「でもアニキ、制御できなくて街中水浸しだよ……。」
「それでいいんだよ!」
「何もできないと言うよりも、やりすぎちまうほうがいい。」
「男気ってのはそういうもんだ!!」
「実はな、コモン、俺、旅に出ようと思うんだ。」
「旅に……??」
「そうだ、世界を見てみたいんだ。どうだ、一緒に行かないか。」
「いいの??」
「いいも何も、俺たち二人でなら、きっと世界を相手に面白いことができるはずだ。」
「どうだ、一緒に行かないか??」
そうだ、アニキの言うことはいつでも突拍子のないことだ。
それでも、いつもアニキは前向きだ。
「うん!!」




