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4話目 トラブル体質はお前だ~ぁ

「副会長、俺わかったよ。すごい謎だったんだ。」

「何が? 」

「生徒会役員に会計がいないこと。」

「そのこと。まぁねえ。いらないよね。」

「守銭奴様がいる限り。」


そう、乙姫さんは書記長と会計を兼ねていたのだ。

せっかく会計候補が生徒会に入っても、あの通り、乙姫さんが守銭奴様オーラ全開で各方面の予算の削減に奔走するので、新人会計のところに抗議が殺到。

耐え切れずにわずかの間に何人もの会計のが辞職。


結局、会計も書記長が兼ねることになったそうだ。

本人は金のことになると嬉々として走り回るので、生徒会役員の仕事が倍増して忙しくなっても何の問題も生じていないこのことだ。


そんな、乙姫さんの生活資金運用講座は、今日初めて若奥様と言う強烈な信者を獲得してしまった。

若奥様はこれからマイホームの資金獲得のために、いろいろ乙姫さんに相談に行くに違ない。


俺は・・・・・・・・、今まで通りで何も変わらんな。その上、小遣いは増えそうなので、乙姫さんには感謝だな。

引退後の就職先がど田舎の教会から教会本山の黒魔法協会になりそうなだけだ。


俺、まじで心配していたんだ。

このまま、門前町という都会の香りを一度も味わずに、ど田舎に閉じ込められるんじゃないかと。

地方都市のソンバト以外に都市と名の付くところに行ったことがないからな。

13歳で一生、ど田舎に引きこもり決定なんて悲しすぎる。


そんなことを考えていると午前の偵察チームが集合したようで、すでに出発する寸前だった。


「ではいってくるので、留守は頼みますね。

この中ではシュウが唯一の隊長なので、竜宮チームの言うことをよく聞くのよ。」死神さん

? 隊長が指示に従うの。


「そうだぞ。

指示、つまり戦闘、防御、退避、学習、訓練についてはタイさんに。

情報と作戦立案はくそカメに。

金ことは乙姫に相談しろ。」

特攻隊長まだ詐称事件のこと根に持っていますね。


「あと、新婚家庭のことはこのエリナに任せてちょうだい。

これから乙姫先生とマイホーム購入資金の貯蓄計画を詰めていくところなの。


もちろん、お小遣いもちょっこっとだけUP、雀の涙って言葉を実感するかもしれないけどね。

仕事の帰りに、私にケーキのお土産を時々買えるぐらいにはUPよ。」


あの~っ。お小遣いUP分はエリナへのお土産に化けるのですね。

了解しました。


憧れの門前町のケーキをすべて征服して見せます。

まっててくれ、エリナちゃん。

門前町という都会をぶらつくだけで俺は今のところ満足だぁーっ。


俺が新たな決意を固めていたところ、死神さんたちはすでに出発した後だった。


竜宮チームも卒試に向けた勉強をしに部屋に戻って行った。

カメさんは本棚倉庫だけどね。


俺の脇には貯金通帳、名義は"シュウとエリナの愛の巣新築準備資金。一切、無駄遣いはいたしません"を食い入るように眺めているエリナちゃんがいるだけだった。


余り根を詰めないようにね。

俺、エリナの夢のために頑張るよアルバイト。


エリナと俺は第2114大隊、つまり、第21師団第1連隊第4大隊ら派遣された新人教育係の人に職校より送られてきた教科書を頼りに講義を受けていた。

知識はまだまだ不足しています。


今日は自習のはずだったから、偵察の準備をするわずかな間に死神さんか特攻隊長が第21師団と新人教育係の派遣について交渉してきたのでろう。

いや、こんなわずかな時間で交渉はできないな、指示だな。


第21師団と言えば、1082基地の転移魔方陣はひっきりなしに荷物と人を吐き出していた。

このようなときに少し小さめの12基転移魔方陣は不便である。


一個師団の移動と共にベースキャンプの設置のための物資。

これを運ぶためにどれだけの回数の転移魔方陣を発動しなければならないのだろう。


まぁ、俺は魔力溜めのアルバイトをここでやらしてもらっている。

1基250バートと2割増しで第21師団の転移輸送係に買い取ってもらっていた。

エリナ若奥様はもちろんホクホクである。

夢のマイホームまで2割早くたどり着けるのだそうだ。


外では第21師団の土魔法術士が総手でベースキャンプの区画整理と宿舎を建設を行っていた。


死神さんなどは、師団幹部クラスの住居をつくているときにフラフラ近づいて行って、いろいろ注文を付けていた。


台所は広くしろとか、女子幹部の部屋は二間にしろとか。

男は3段ベット本棚倉庫仕様で十分。

いや、本棚でも贅沢だ、外のテントで十分だとか。

その指示する様子を特攻隊長が後ろで見ていて、いちいち頷いている。


俺は悟ってしまった。

でき上ったら、第21師団から第108独立旅団に供出させるつもりのことを。

文句言えないもんね、例の旅団設立合意文書のせいで。


文句があるなら白魔法協会を通して言えと死神さんに言われるが、その肝心の白魔法教会の総帥と参議が幹部用宿舎の出来上がるのをわくわくしながらうなずき眺めているのだから、ほんともう質が悪すぎる。


ということで、明日、ここから引っ越すらしい。


ごめん、わがままな人たちが旅団の指導部で。

俺たち下っ端の謝罪じゃ、腹の虫がおさまらないかもしれないけど、とりあえず誤ります。

まじ、ごめん。


二度とこのようなことがないようによ~く、言い聞かせられるのなら苦労はしてません。

ごめん。


きっと、特攻隊長のお見合いがうまくいった次の日とか、死神さんがリスト8位を解剖した次の日だったら言えると思います。


浮かれて俺の言うことなんか聞いていないかもしれないけど。言うだけは、言うよ。

それで許して、ねっ、ねっ。


まぁ、ここを解放してから一週間いろいろあったが、いよいよ任務である。


初任務、緊張します。

これまでは演習とパトロール、訓練をやることしかこの旅団に入ってからは言われてないからね。


初任務です。


初任務の前になぜ魔族2個師団を壊滅させ、3四半世紀ぶりに連続して社の奪取した俺たちは何者?


結果はオーライだけど。


誰だ~っ。

トラブルを吸い付けるトラブル体質は。


「普通に考えて、シュウだろ。お前しかおらんじゃないか。あきらめろ。

俺やおばちゃんが取りついた時点であきらめろ。

深く考えると生きいいけないぞ。これから。」


えっ、エリナじゃないのトラブル体質。

俺はそれをため息をつきながら整理・解決する役柄だと思っていたぞ。


「天然トラブル体質が何を言っておるのじゃ、自覚が足りん。

妾は、まぁしょうがないにしても、かび臭い奴まですり寄って着た時点でお察しじゃ。


芦高とか魔物までペットにしてますなんてありえんじゃろ。普通に考えてものう。」


だから、エリナが・・・・


「奥様には私たちの声は届いておりません。普通の大剣と魔道具のペアの指輪と思っておいでです。」


だから無意識に呼び寄せるのがトラブル体質というか、何というか。


「まぁ自分で言っちゃなんだが、シュウは俺たちに憑依されたが、エリナは俺たちを身に着けているだけで魔道具や剣としての価値しか感じていないぞ。


お前は俺たちに憑依されているんで、たまに、ごくたまにだが俺たち関連でちょっとした笑い話になるように出来事や不快じゃないイベントがあるだろ。


それはお前がトラブル体質で、俺たちを憑依させ、それがさらに面白ことを呼んでくるんだよ。


だって、初めに婆ちゃんに取りつかれた時にはエリナがいなかったんだよな。


もう、お前がトラブル体質で決定だ。」


いや、それならおばちゃんとうるさいさんがトラブル体質じゃないか。


「わかってないなシュウ。

俺は故郷を旅立った後に一緒になったんだし、教会本山では婆ちゃんは職校寮のシュウの部屋で昼寝三昧で一緒に居なかったぞ。


それでもいろんなことが起こるのは・・・・・・シュウだな。」


くっそ~っ。言い返せない。思い当たることが多すぎて。


余計な雑念や無駄話? ばかりしていたせいでちっとも勉強がはかどらないうちに昼になった。

俺とエリナ、竜宮チームは第21師団のキャンプ飯を当然のように食らい、午後の魔族軍探索の準備をしていた。


そこにソニアたちが帰って来た。

「ただいま、お兄ちゃん。何にもなかったよ。外れだよ。疲れただけだよ。

おかしを食いたいなぁ。」


「お菓子の付け届けがいっぱいあったぞ。俺たちのキャンプの調理場に入れといぞ。後で食べるといいよ。

でも、お菓子ばっかり食べないで、キャンプ飯もちゃんと食べるんだよ。」


「は~いっ。お昼半分食べて、後はお菓子を食べるね。」

「まぁ、疲れたろうしそれでいいか。」


「シュウ、探索の引継ぎをするから来てくれ。タイさんたちも一緒に。」死神さん


「じゃ、行ってくるよ。ソニアはゆっくり疲れを取ってね。」

「じゃ、頑張ってね。」


俺は死神さんの元に行く。

「シュウ、来たな。まずは引継ぎだ。

我々午前中組は仮想探索エリア1を回ったが、いずれも目的のものを発見できなかった。


午後組はエリア5を回ってくれ。場所は把握しているなタイさん。」


「大丈夫です。ちゃんとシュウ君をエリア5に連れて行きます。」

「よろしく頼む。」


何か、俺信用なさす。


「うふふふっ。シュウ君そんな顔をしないの。

指揮はタイさん、捜索はエリナさんとダメカメさんにお願いして、シュウ君と芦高さん、乙姫さんは目視警戒と防御をお願いね。」


「了解しました。」午後組全員


「シュウ君のトラブル体質に期待して、一番魔族師団がいると思われるエリア5にしたわ。

探さなくても向こうから寄ってくるかもね。いままでのように。期待しているわ、シュウ君。」


俺は先ほどのうるさいさんとのやり取りがあったので、反論できず、ただ顔が引きつるのだけが分かった。


次のお話のタイトルは活動報告を見てね。

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